数分後、
切島から『爆豪から話は聞いた。大丈夫か?
俺は事務所ついたぜ!』
という文章と一緒に、
B組の鉄哲とのツーショット写真が送られてきた。
『大丈夫だよ、ありがとう。
てか私まだ2キロも歩いてないのに。』
と狛魏が送ると、
『あと何キロだ?』と返事が来る
『あと約9キロ。』と送ると、
『狛魏は体力あるし、男らしく頑張ろうぜ!!』
と切島らしい返事が来る。
と静かにツッコミながら、
会話を続けるのを諦めた狛魏は、
『ありがとう、お互いがんばろ。』
と言い、再び山を登り始めた。
途中から電波が悪くなり地図が見れなくなったので、
紙に書いてそれを辿って歩いていたら、
小さな小屋にたどり着いた。
扉の前でそう尋ねたところ、
赤い天狗のお面を着けた人が扉を開けた。
冷たい木の床にコスチュームと鞄を置き、
制服にローファーのまま、
狛魏は鱗滝の後ろに着いていった。
走り始め、狛魏は気づいた。
それから数分、
山の頂上についた二人。
そう言い残し、鱗滝はその場からスっと消え去る。
狛魏はひとり、山の中でポツンと立たずんでいた。
鱗滝の気配を辿ればすぐにつくのだが、
その気配を一切感じられない。
独り言を呟きながら、
来た道を戻ろうと後ろを振り返ったその時 ───
丸太が狛魏 目掛けてとんできた。
しかし、とっさに避けた狛魏が着地した場所には
落とし穴が。
そこであなたは気づいた。
この山には、沢山の罠が仕掛けられていることに。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。