ピンポーン
だれだろ?
出ないでいるとなんと向こうから鍵を開けて来た
優しい表情、落ち着いた声音、差し伸べられる手
こんな王子様のような人が…
と疑いたくなるが…
体験者の私からすれば
王子の皮を被った狂愛者でしかない
正面打ち一教!
合気道の用語で言ってもピンと来ないと思いますが
私は彼の腕を掴んで投げ、後ろで片手を固定した
ドンッ
流石に女の力ではここまで
でもこんなの計算済み
組み敷かれてもいいから聞きたいことがある
こいつの口から吐かせたいことがある
次の瞬間彼が鈍い音をたてて後ろに吹っ飛ばされた
カシャ
自分の息子というワードに彼は目を見開く
私は彼の耳元で
これはなんのごめんだろうか?
それを考えると
今の私には皮肉しか思いつかない
パーンッ…と音を立てて彼の顔に赤い腫れができた
そして右の頬をぶたれたら左の頬も差し出しなさいの如く彼はヒラくんにもぶたれた
そして数時間も立たぬうちに
悠の父親直属の部下たちが彼を回収していった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。