ヒラくん遅いなぁ
実況撮ってる最中かな?
でもバイトって言ってたし…
ちょっと長引いてるのかも…
今日はラキちゃんいない日だし…
〜♪〜♪
ポケットから聞こえた着信音に
私は素早く出た
私の声は震えていた…
向こうにも伝わったのか
『このまま電話切らないでね』と言われた
私は喜んで承諾した
ヒラくんが止めてくれなくちゃ…
私はいつか…
背後から聞こえた声に心底ほっとする
もうこれでは恋人ではないだろうか?
でもそんなのいやだ
こんなワガママを言う彼女は…
ヒラくんには相応しくないし
私は彼の恋人になるつもりはサラサラない
こんな感じの日がしばらく続くことになる
そしてその日のうちに…
ヒラくん家にいたキヨくんに
私は昨日のことに返事をした
『良さそうな時にまた言うから』と彼は言った
次言われたら…
今は考えるのはやめとこう
その日…
ヒラくんだけが私の異変に気づいた
私自身も気づかなかったことに…
私の目の奥に…
また光が消えたことに…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。