〜フジside〜
今日も俺はヒラの病室に向かう
純粋にヒラの顔が見たくて心配だからと…
あなたちゃんが来てるからって言う汚い考えを持って
そっと病室の戸を開けると…
あなたちゃんの語り口調の声が聞こえた
読み聞かせか?
椅子に座ってヒラに何か読んでいる様だ
手に本があるかは後ろ姿なので分からない
俺は彼女が物語を読んでいる声が心地よくて耳を傾けることにした
聞いたことない話だな…
オリジナル…とか…?
飢え死…?
き…聞き間違いだよね…
ん〜?
ええええええええええええ!?!?
3人目!?!?
まっまさか…
デラちゃん!!
エドガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
彼が何をした!!!!
フローラ1番えぐい!!
ジェフは?ジェフは無事なのか??
お前が犯人かい!!
まさかの犯人www
えぇ仲良しじゃなかったのー?
あっしまった思わず突っ込んでしまった
俺はこの後検索してバラバラフローラも見てしまうのですが…
それより…
『フジくんはそういうのは見ないかな?』と言ってにっこり笑う彼女は今日もかわいい
…とヒラに挨拶してなかった
『あなたちゃん目当ての癖に…』とか返ってきそうだなぁ
不安そうに俯いた後パッと表情を変えて彼女は立ち上がった
パシッ
『こっち来てから1人で寝てない』なんて聞いて行かせる訳には行かない
俺は彼女の手首を彼女の方見ずに掴んで
彼女が声を上げた時ゆっくり彼女の方をみた
彼女は俯きがちに頷いた
ヒラに対してなら…
2返事でオーケーするんだろうなぁなんて思いつつ
彼女は『生放送終わったら電話する』と約束して病室を後にした
俺は来たばっかりだし…もう少しいるかな?
そう思ってヒラに話しかける
少なからず大きな存在のおまえがいないと…
今の俺より断然必要なんだから…
少しヒラの口角が上がった気がした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!