第8話

花弁
2
2024/06/19 09:00
お桃
お桃
おはようございます
お千代
お千代
おはよう。私はこの人の相手をしているから、あんたは子供たちの相手をしておいてくれる?
お桃
お桃
分かりました!
町人(女)
町人(女)
…全く。物騒な世の中になったもんだよ。お千代、気をつけておきな
お千代
お千代
…私が気をつける、とは?
町人(女)
町人(女)
今度の川に流れる死体は、みんな若いもんらしいんだ
町人(女)
町人(女)
男女問わず、ね
お桃
お桃
(そういえば、たしかにあの力士も若かった…)
お桃たちが川で死体を発見してから、半月近くになる。
その間、五人もの死体が流れていた。
三日に一回、人が死んでいる計算になる。
お千代
お千代
はい、気をつけます。早くそれをやった人が見つかると良いですね
町人(女)
町人(女)
そうだよ、本当にそうだよ
お桃
お桃
(そうだ、明日川に行ってみよう)
そしてその夜。お桃はお鷹に話してみることにした。
お鷹
お鷹
川へ行く?どうしてそんなことを
お桃
お桃
やっぱり、殺った人の特徴を掴んでおきたいなって
お鷹
お鷹
分かった
川に行くと、そこには人だかりができていた。
お桃
お桃
すごい人…
役人
役人
あんた、川に行くのかい?
お桃
お桃
はい、そうです
役人
役人
あそこに行くのは危ない。やめておきな
お桃
お桃
な、なんで…
役人
役人
人が多すぎて、あんたは押し出されて溺れるかもしれない
お桃
お桃
わかりました。じゃあ、なるべく近寄らないようにします
役人
役人
なるべく…?
お桃
お桃
…よし、これだけ離れればいいかな
魂
…あな…は…
お桃
お桃
ん…?
お桃
お桃
(聞き取りづらい!)
このときの魂は、すでに移動を始めており、お桃でも聞き取ることができなかった。
魂
川…怖い
お桃
お桃
そうだね、怖いよね。でもあなたたちはもう、落ちることはないんじゃない?
お桃
お桃
誰が殺ったか、話してくれる?
魂
数人の…男
お桃
お桃
(組んでたのか。やっぱり、ここまで短時間で大人数を殺せるのは…)
お桃
お桃
教えてくれてありがとう
そしてお桃は、家に帰り、わかったことを伝えた。
お鷹
お鷹
たくさんの男?
お桃
お桃
そう、組んでたみたいなの
お鷹
お鷹
ってことは、この花弁はなびら事件は、その長みたいなやつを倒せば解決するかな
お桃
お桃
そういうことでしょうね
翌日、お桃が伊勢屋に行くと、お千代は子供たちに向かって話をしていた。
お千代
お千代
あんな事があったからね
お千代
お千代
みんなは、お父さんとかお母さんといっしょに来てもらったの
お千代
お千代
危ないことになったらいけないから、みんなは川には近づかないようにね
子どもたちがはーいと大きな返事をした。
お千代
お千代
それじゃあ、始めましょうか
誠之助
誠之助
お千代さーん
お千代
お千代
なんなの、誠之助さん
誠之助
誠之助
お団子を買ってきたんだ
お千代
お千代
まあ、こんなにいっぱい
誠之助
誠之助
寺子屋が終わったらみんなで食ってくれ
お千代
お千代
ありがとう
寺子屋が終わった。
そしてお千代は子供たち全員に団子を配り、お桃にも食べるように勧めた。
お桃
お桃
おいしい!
お千代
お千代
このお団子は…はあはあ、才谷屋のね
お桃
お桃
才谷屋!
お桃
お桃
これ、余ってるけど持って帰っていいですか?
お千代
お千代
ええ。お鷹さんもきっと喜ぶわ
その頃お鷹は…
お鷹
お鷹
手がかりが全く見つからない?
役人
役人
ああ。しかも今日は、ひとり死んだ
お鷹
お鷹
誰だい?
役人
役人
初牡丹…あんたなら知ってるだろう。松虎組の上の方の者だ
お鷹
お鷹
や、やくざまで?
役人
役人
ああ。あんたが襲われないとも限らない。気をつけておけよ

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