2017年10月中旬
震える声が止まらない。
頭に一気に入ってくる情報量が多くて、未だに整理しきれていない。
お父さんは、浮気をしていた。
過去形で表現していいのかはわからないが、今はしていてほしくないので、過去形にしておく。
初めて知ったのはまだ中学生にもならない頃。もちろん、ショックだった。
でも、こっちの方がショックかもしれない。
電話の最中、体育座りをしていた。膝に生暖かいを覚えて、膝を確認した。そこで初めて自分が涙を流していることを認識した。
泣いていることがバレたらなんとなく嫌で、ゆっくりめに話す。
どうしたらいいかわからない。
自分が他の人と過去に付き合ったから。それが苦しくて僚平さんは風俗に行った。
自分のせいだ。
僚平さんを責められない。
そう言うのが精一杯だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!