リンちゃんと別れて少し経ったぐらい
ジフナは毎日電話をくれた
俺はそれを着信拒否し続けた
でもあるとき、家のインターホンが鳴った
その日はリンちゃんと別れて初めての休みだったからぼーーとしたかった
1回目、誰か分からないけど居留守を使った
2回目、うるさいなー
3回目、しつこいな!よし無視だ、無視
4.5.6回目、あぁ〜!!なんなんだよ!
ガチャ
俺は戸惑った
その隙にジフナが部屋に入った
自分の部屋にジフナがいるなんて久しぶりだ
うん、本当は分かってる
ただ、聞きたくないだけだ
ジフナが……ジフナが泣きそうになってる
俺の前では絶対に泣いたことないのに
そこからジフナが聞いたリンちゃんの過去とか、リンちゃんと話した内容とか聞いた
最後には二人とも涙を流していた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!