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2021/03/07

第8話

銀河一大切な宝物たち
母side
不幸とは連続して起こる。
力也
母さん!翔吾が!
力也の泣き声に近い声が、
私たち以外誰もいない公園に響く。
翔吾がどうしたの!?
今お母さん、健太のことで…っ!
見渡しながら力也に声をかけると、
私の目に飛び込んできた少しばかり信じ難い光景。
翔吾
…ゼェゼェ…ハァハァハァ…ヒュー
この呼吸音。
どこかで…
翔吾!
大丈夫!?翔吾!
翔吾
ハァハァハァ…ヒューゼーゼー…ゼェゼー
喘息…喘息だこれ。
ねぇ母さん。
とりあえず救急車。
119…やばい、手が震えてちゃんと押せない。
母さん…
あ、救急車、救急車お願いします!
〇市の乱頁公園…子供が二人…あの、あの…
…痛い、母さん。
喘息と……あの、過呼吸。
…はい。倒れたんです突然。
早く、早く来てください!早く!
…か、ハァハァハァ、あさ…
健太、翔吾、あとちょっとだけ頑張って。
あとちょっとだけだから…
私は目の前のことで手一杯だった。
幸せな理想が全て崩れていく。
私の大切な宝物が、いなくなってしまう。
もうそれだけで、周りなんて見てられなかった。
陸!?大丈夫か!?
え、陸?
陣の言葉に、私の背筋が凍る。
上手く息が吸えない。
なんで。
なんで、どうして?
……ハァ……………ハァ………ハァ
陸が胸を抑えて倒れ込んでいる。
弱い呼吸は、今にも消えてしまいそうだった。
陸…!?
どうしたの!?
陣、なにがあったの?
…俺が気づいた時にはもう。
混乱している陣が、涙を浮かべ私を見つめる。
きゅ…救急車、もう1台…。
力也
母さん大丈夫。もう呼んだ。
力也の言葉に、私の頭はぐちゃぐちゃになった。
なんでよ。
今までなんともなかったじゃん。
それなのにどうして。
健太
ハァハァハァハァハァハァ…ヒーヒー…ガハッハァハァハァハァハァハァ
翔吾
ヒューヒュー…ゼェー…ヒュー
………ハァ……ハァ…..................ハァ.........................
あなた。
ねぇ、あなた。
真司。
真司、助けて。
母さん?
やっぱりなんか変だよ?
大丈夫?
陸が、またも私と目を合わせる。
大丈夫。
ほんとに?
うん。ほんとに。
大丈夫だよー。
そっか、それならいいんだけど…
あ!このお店、帰りによく横通る!
テレビに映るパン屋を指さしながら、陸が嬉しそうに言う。
私はそんな様子に、涙が零れそうになった。
目の前がボヤける。
…ごめんね。
ん?なんか言った?
ううん。なんにも言ってないよ。

えー?どのパンが美味しいの?
うーんとねぇ.........
私の大切な、銀河一大切な宝物たち。
必ず、どんな事があっても私が守り抜く。
それが、元気に生んであげられなかったことの償い。
元気に生んであげられなくて、
あのとき気付いてあげられなくて、
ごめんね…
next…