陸side
陣くんからバトンをキャーッチ!
したのはいいけど、あーあ眠い。
あー眠い。
朝から陣くんに叩き…いやこちょばし起こされて…
まぁ、ありがたいんだけどね。
まぁいいや、さてさて早速本題。
皆を起こしに行かなきゃ。
でも俺、昔からずっと思ってたんだけど
早く起きた人が皆を起こすっていうシステム、
なんか効率悪くない?
だってそれぞれの部屋に
一つずつ目覚まし時計置いてたほうが効率はいいでしょ。
そしたらこんなに大変な…
・・・
これは神様がこれ以上言うなって言ってるんだ。
余計なことは…ね?
よしっ!じゃあ気を取り直して皆起こし出発ぅー!
まずは俺と同じ部屋の小学二年生組!
俺が言いながら三人のお腹をポンポンと軽く叩くと、
一番に反応したのはやっぱり翔吾。
翔吾完了!
っと次はこのお二人さんだな。
こりゃ大変だー!
仕方ないから二人の一番近くのカーテンを思い切り開ける。
すると太陽の光を浴びた壱馬が飛び起きた。
北人は未だにとろんとした目で
俺と壱馬の顔を交互に見ながら、
なんて朝ボケしてる。
俺が抱っこして地上へと降ろすと、
二人はぽてぽてと歩いていった。
小学生二年生の中では小柄の三人。
傍から見たら幼稚園児にしか見えないだろうな。
おっと、話が逸れちゃった。
じゃあ次は隣の部屋のちびっ子たち。
うわぁーめちゃ可愛いんですけど!
一人一人別々に寝かしたはずなのに、
どういう訳か三人くっついて寝てるんだけど!
夜中に動いた?
想像しただけで思わずニヤけが←
俺の声に反応したのは一番端で寝てた慎。
眠そうに目を擦り、ひょこっと起き上がって…
ちょちょちょ、ヤバいヤバい。
目がうっるうるしてんじゃん。
これは終わったな。
すると慎は鼻をすずっと啜り、抱っこのポーズをした。
そして俺が腕から慎を降ろすと、
慎はちょこちょこと未だ寝ている二人の元へ行った。
慎がベッドに上がって二人の体を揺らしている。
その度にベッドがギィギィと不気味にしなった。
いや、中々年季がはいってますなー。
流石は俺ら世代からあるベッドだわ。
慎がやれやれ的な目で腰に手を当て、肩を下に下げる。
いかにも困ってる様子。
でも可愛いのに変わりはないけど←
まぁね僕にはね、とっておきの作戦があるんだよ。
そしたら案の定、
お二人さんが勢いよくおきあがったわけですよ。
そしたらもう陸作戦は成功なわけですよ。
それから二人は慎と手を繋ぎ、急いで階段をかけていった。
なんて言いながら、今度は一段ずつゆっくり降りていった。
さってあとは一人。
言いながら俺が拓磨を抱き上げる。
すると拓磨は眠そうな目でふにゃっと笑った。
はい、やってしまいました。
やっちゃいました。
拓磨くんはとんでもないことをしちゃいました。
皆で一緒にぃーせぇーのぉーで!
『可愛い』
ヤバい、可愛い、溶ける←
すっかり目が冴えた拓磨はハイテンション気分。
朝、テンション高いのは中々珍しい。
一体誰に似たのやら。
てな感じで朝の決闘は終わり…
と言いたいけど、
実のところ本当の決闘はここからなんだよー。
まだまだ頑張なくちゃ!
そしたら、決闘…
開始ぃー!
next…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。