お兄ちゃんにLINE入れとけば気づいてくれるよね、
…っ、
私はお兄ちゃんが来るのを願いながら誘拐犯の車に乗った
いつからか誘拐犯は私のこと呼び捨てになってて
キモい。今はただそれだけ。
この誘拐犯の言葉はその通り
でも私の心はなぜか苦しかった
誘拐犯は不敵に微笑んだ
…
連れて来られたのは古いアパートの2階
部屋に入ろうとしたとき、丁度隣の部屋から
サラリーマンの人が出てきた
でも私は抵抗しず、誘拐犯に付いて行ってるから
まさか誘拐されてるなんて思いもしないだろう
部屋に入ると
🛁
私は誘拐犯がお風呂に入ってる間、
カバンの中からApple Watchを取り出した
私はメッセージを開き、お兄ちゃんにメールをした
”誘拐された。車のナンバーは0728。〇〇市〇〇区のどこかのボロいアパートの2階、!
お兄ちゃんなら助けてくれるって信じてるよ”
そして、最後にこんな時でもこの言葉を添えた
”大好き、待ってるね”
本当は逃げたい。でもお兄ちゃんのため
私は神様に祈るように空を見上げてベッドに入った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!