第17話
きっかけ
二口 side
あいつとの出会いは…衝撃的。
あれは部活に入部して数日たったときのこと。
バレー部の練習が行われる体育館のドアの目の前
工業高校には珍しい女が立っている。
マネージャー希望で一人居た
でも、その女じゃない。
すらっと女子にしては高い身長。
ちっさな顔に整った顔立ち。
成長しまくった…胸。
こんなパーフェクトな女が伊達工にいたのか、
と俺は驚いた。
が、それは一瞬にして崩れ去ったのだ。
青根高伸の妹 青根あなた。
中身は極度のブラコンだった。
しかも、一個下の中3。
毎日放課後の練習に来るし、
土日も絶対来る。
ただ見てキャーキャー言うわけでもなく、
マネージャーのことを手伝ったり球拾いしたり
不思議なやつ。
基本、青根の事しか眼中になし、
なので鎌先さんは、無視られがち
主将には、神対応
あとマネとは良く話してる。
きっと青根の事しか見てねぇって思ってた。
あんな事があるまでは
夏休みの練習はかなりハード
夏の体育館はマジでサウナ。
マジでクラクラしてきた。
俺はこっそり練習抜け出し
外で体育館の壁に寄りかかって座り込んだ。
気持ち悪さと暑さダルさで、
意識も朦朧としていた。
人間てこうやって死ぬんだなって考えてると
急に首元が冷たくなった。
驚いて顔を上げると あなたが居た。
首元に当ててくれてたのは
氷入れたての氷嚢。
そしてドリンクボトルを俺の前に差し出す。
俺の名前なんて、知ってたんだこいつ。
あなたはしゃがんで俺と目線を合わそうとする。
綺麗な俺好みの顔なのがうぜぇ
急に手を伸ばしてきて俺のおでこに手を当てる
なんだよ、これが吊り橋効果ってやつか
体調のせいか、コイツのせいか心臓がやけに早い。
そんなこと言う俺にやつは
パチーンとデコピンした。
やつはそう言った
目をキラキラさせて俺に言う。
興奮しすぎて顔が…近い
彼女は立ち上がる。
カラッと笑う彼女の笑顔は、太陽のせいで
余計眩しく見えた。
彼女はそのまま、行ってしまった。
《先輩のブロックってやつ、
かっこいいじゃないですか!》
意外と俺って単純な奴なのかも。
その出来事からあなたと、の関係性のはじまり。
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そろそろ、俺の事見てくれる予定やったんだけど。
上手くいかんことばっかりだな。
《…ごめんなさい》
そんなこと言わせたかった訳じゃないのに
まぁ、取り返せばいい話
俺しか見えないくらいに、あいつの中を
支配してやる。