『まず何か映画見ましょ!』
「あぁ。」
『なんの映画が良いですか〜?』
「七瀬に任せるよ。」
『じゃあ…これが良いです!』
「面白そうだな、それにしよう。」
『ふふっ、じゃあおつまみ、持って来ますね〜!』
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『はぁ〜!感動しましたね…』
「そうか?」
『逆にしてないんですか?!』
「七瀬なんか泣いてるな〜って思ってただけ。」
『やっぱり魔王…』
「あ?」
『いや、なんでもないですよ?…次はジェンガしましょ!』
「…あぁ。」
それから2人は色々な事をし、1日の“お家デート”を共に過ごした。
2人で過ごす時間はとても早く流れた。
もう少しで天堂が北海道に帰ってしまう事が寂しくて、でも隣で過ごせている時間がとても幸せで。
お互いこんな日をずっと望んでいたからこそ2人にとって幸せな1日になった。
天堂が東京に帰ってきてまた2人で過ごせる毎日まであと数ヶ月。
短いようで長い数ヶ月だが天堂は七瀬が寂しい思いをしないように、七瀬はしっかり天堂が無事に志帆さんの元の生活に戻れる日に送り出せるように。
この数ヶ月間も相手の事を思って大事にしようと心に誓った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!