次の日、いつも通り七瀬と手を繋いで出勤していた。
いつも通りの日になると思っていたけどナースステーションではいつも通りじゃ無かった。
"誰?これ"
"サイテーでしょ"
"それデマ写真じゃないん?"
"アイツがこんな事するか?"
ん?
『皆さん、おはようございます!』
"お、おはよう!"
俺もぺこりと頭を下げる。
"魔王、こんな人やったんやな…"
"勇者が可哀想。"
何の話だ?
『いきなり皆さん、どうしたんですか?』
"これ見てみ。"
"患者さんのご家族がたまたま撮ったらしいの。"
その写真を見ると確かに俺と志帆さんがホテルに入っていく姿があった。
「!!!」
『これ…先生と女の人…?』
バレてしまった。
"天堂先生、どういう事ですか?"
"説明してください。"
"これ、不倫やで!"
『浬…さん?』
七瀬は涙目になっている。
結局悲しい顔をさせてしまった。
「訳があって…」
"訳?そんなん関係無いで!"
"不倫は不倫ですよ。"
『っっ…ちょっとトイレに行ってきます、』
七瀬は走ってどこかに行ってしまった。
「七瀬!」
"天堂先生は行かないでください、私が行きます。"
"そうね、酒井さんが行って来て。"
最悪だ…
"天堂は帰って頭冷やしてこい。"
「でも仕事がある、」
"今のままじゃダメだろ、俺がやっとくから。"
「分かった、」
仕事は来生に任せて俺はトボトボと家路に着いた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。