第60話

退院
732
2021/04/11 12:05
約1ヶ月後。


"浬、本当にありがとうございました。"

"私からも、ありがとう。"

「お元気になって本当に良かったです、お大事に。」

"ありがとう…あっ!浬前言ってた事覚えてる?"

「前言ってたこと?」

"うん、七瀬ちゃんに謝りたいって言う話。"

「あぁ、本当に大丈夫ですよ。」

"いや、私が謝りたいのっ。"

「…分かりました。俺が東京に帰ったら連絡します。」

"わがままいっぱい聞いてもらって本当ありがとね。"

「いえ、志帆さんは俺の命の恩人、なので。」

"大袈裟よ、まぁ浬も私の命の恩人だけど、笑"

「お互いに、ですね。笑」

"そうだね、笑"

"もう志帆、長居して無いで早く行くよ。"


そう言って里帆姉は志帆さんを一注意して、俺に目を向けた。


"浬、志帆のわがままで七瀬ちゃんと離れさせてしまってごめんね。あと手術とか色々ありがとう。"

「いや、里帆姉こそ鹿児島に着いてきてくれたり色々とありがとな。」

"うんん、七瀬ちゃんを幸せにしてあげてね。"

「もちろん、そのつもり。」

"ふふっ、じゃあ行くね。"

「あぁ。」

"私もいつか七瀬ちゃんと直接会わせてね。"

「気が向いたらな、笑」

"楽しみにしてる。笑"


そういって姉妹は里帆姉の車に乗って帰って行った。
俺は車が見えなくなるまで見送った。
いろんな思いを抱えて。

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