天堂side__
やっぱり、大好きな彼女と何ヶ月も会えないのは寂しい。
少しだけでも、話したい。
そう思い俺は23:00、スマホを開いた。
プルルルルルル…📞(電話)
今日はただの通話じゃ無い、ビデオ通話だ。
七瀬はどんな反応するかなぁ。
『はっ…はい!』
「七瀬、久しぶり。」
『お久しぶりです…浬さん。』
「…七瀬もビデオにして、?」
『ダメですっ、今すっぴん…』
そういって俺からのビデオ通話を断る七瀬。
ビデオ通話なんて最初で最後かもしれないのにな…なんて。
彼女は自分の魅力に気づいていない。
俺からしたらそんな飾らない七瀬が1番好きだ。
すっぴんでもなんでも良い、俺は早く大好きな彼女を見たいのだ。
「七瀬を見たい。」
『ダメです…女の子は好きな人の前では可愛い自分で居たいんです!』
「すっぴんでもお前は可愛い。」
『…それにしても浬さんは相変わらずかっこいいですね♡』
そう言って七瀬はさらっと話を逸らせる。
そしてカシャ、カシャと、俺をスクショとやらで撮り始めた。
「おい…やめろ。」
『だって浬さんかっこいいから!』
「お前がビデオにしないと電話、切るぞ。」
『それはやだ!』
「じゃあビデオにしろ。」
『じゃ、じゃあ化粧してきますから一瞬待っててください!』
「待てない、ありのままの七瀬が見たい。すっぴんなんて何度も見てきたしな。」
『…分かりましたよ〜。では失礼します…』
そう言うと俺のスマホ画面は七瀬に変わった。
メイクをしていてもしていなくても変わらないその姿。
久しぶりの七瀬に思わず見惚れてしまう。
「…っ、可愛いじゃん。」
『浬さんの方がカッコいいです、!(照)』
「久しぶりに顔見れて良かった。」
『私も何故か緊張しちゃいますっ…』
それから俺たちは何気ない話をしていた。
こんな何気ない会話でも凄く幸せに感じる。
これからまた2人で過ごせる毎日が楽しみだ。
「あと1ヶ月したら帰れるから、待っててな。」
『はいっ…待ってます!』
「…じゃあ切る、遅い時間に悪いかった。」
『いえいえ、嬉しかったです!』
「良かった、じゃあな。」
『はいっ…』
プチッ📞
電話を切った後、一人なのは変わらないのに七瀬の音が消えたのはものすごく寂しかった。
でも久しぶりに七瀬の顔が見れて良かった。
あと1ヶ月、頑張ろう。
------------------------------------------------------------------------
「一人なのは変わらないのに七瀬の音が消えた後はものすごく寂しかった。」の文は
えぬって言う方の想無という曲の歌詞を真似しちゃいました😽♡
本当に良い曲すぎて、、是非聴いてみてください(^^)
------------------------------------------------------------------------
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!