第23話

部屋も豪華な件
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2020/03/17 06:09
その後、由紀先生がやって来たことで、私たちは整列せざるを得なくなり、その後各部屋の鍵が配られた
荷物整理して、30分後にエントランスに集合
基本班行動なため、クラス毎に目的地まで移動したあとはほぼ自由
この後、少し離れたところにある森にハイキングに行くんだけど、迷子にならない前提で班行動が許されてる。もちろん、他の班と合同で回ることも可能
卯月 心春
卯月 心春
とりあえず、30分後かな?
倉石 樹里
倉石 樹里
おう!2人で準備できたらそっちの部屋に迎え行くわ
岩見 花恋
岩見 花恋
おっけー。行き違いになるといけないから、とりあえず待っとくよ
神野 葵
神野 葵
なら、また後でな
エレベーターの途中まで一緒に向かい、途中で別れた
私と花恋は5階、樹里たちは6階の部屋だ
どうやら二人で一部屋らしい。でも、他の班と合同で・・・・・・つまり、4人で一部屋のところもあるみたいだけど
エレベーターを降りた私たちは、渡されたカード型のルームキーに記された番号を確認する
岩見 花恋
岩見 花恋
5011?
卯月 心春
卯月 心春
だね。えーっと・・・・・・右が5001〜5012だから、右だね
エレベーターの前は少し広い空間になっていて、そこから左右二手に分かれている
ちょうど壁に、部屋番号の案内があったから、それに沿って廊下を進んだ
『5012』と金色の数字の飾りが付けられた黒塗りのドアを見つける
手に持ったルームキーを、ドアレバーの上にあるセンサーにかざすと、ぴぴっと音がして解錠した
ルームキーを持ち直し、その手でレバーを押し下げ、ドアを開ける
中は、とても2人で使うような部屋の広さではなかった
岩見 花恋
岩見 花恋
ま、まあこんなものかな・・・・・・
卯月 心春
卯月 心春
いや、大きすぎでしょ
広さは私たちが使う教室より、少し大きいくらい
学生にはとてもじゃないけど、どう考えても敷地面積をとりすぎだ
まあ、ホテルを見た時から思ってたけどさ。でも改めて目にすると、つい呆然としてしまう
卯月 心春
卯月 心春
とりあえず、荷物の片付けだけして、樹里達を待とっか
岩見 花恋
岩見 花恋
そだね
靴を脱ぎ、壁際に寄せてからカーペットに足を乗せた
左側が特に広くなっていて、2人でも余裕で寝れるくらい大きなベッドが2つ、横並びになっていた
卯月 心春
卯月 心春
花恋ー。どっちで寝たい?
岩見 花恋
岩見 花恋
どっちでもいいよ〜。心春の好きな方選んで!
卯月 心春
卯月 心春
私もどっちでもいいんだよねー
岩見 花恋
岩見 花恋
そっか。なら私、手前でいい?
卯月 心春
卯月 心春
うん!なら奥の方に荷物置くね
靴を脱いでいる花恋の返事を聞き、私は重かったボストンバックを床にどさりと落とした
あまり中身の入っていないリュックサックも降ろし、天辺にある取っ手を持った
そのままズルズルと2つとも引っ張り、んしょっと掛け声と共に傍に座り込む
なんだか疲れたなぁ。今から本番なのに
無限に湧き出そうな欠伸を噛み殺し、私はボストンバックのチャックを開けた
財布やスマホ、モバイルバッテリー、タオルなどを、リュックサックに詰め込む
ハイキングだし、ちゃんと写真だけは撮っときたい!思い出って大切だし
水分補給も必要だよね・・・・・・と思い、リュックサックの両側にある編み編みのペットボトルホルダーを確認する
うん。ちゃんとお茶がある。まだまだ量はあるし、買わなくてもいいかな
他にも忘れ物がないかなど、今更ながら整理していると、部屋のチャイムが鳴った
ぴんぽん、と軽快なメロディが流れる
岩見 花恋
岩見 花恋
あ、もう来たのかな
卯月 心春
卯月 心春
はっや・・・・・・あ、それでも20分経ったんだ
ちょうど手に持っていたスマホで確認すると、解散してから約20分が経過していた。確かに、もう片付けが終わっていてもおかしくない
花恋はまだ手が離せない状態なので、私は立ち上がって玄関に向かった
ひとまず、少しだけドアを開けて隙間から外を覗く
見慣れた学校のジャージと、ちらりと見える顔を見て、ほっと安心の吐息をついた
卯月 心春
卯月 心春
樹里と葵かぁ
大きく扉を開け、2人の名前を口にする
黒のリュックサックをかるった樹里が、私の言葉に眉をひそめた
倉石 樹里
倉石 樹里
んだよ、不満か?
卯月 心春
卯月 心春
ううん。もし違ったらどうしようかと。ほら、ここには花恋がいるから
倉石 樹里
倉石 樹里
まあそうだな。大丈夫だ、誰もいねーよ
卯月 心春
卯月 心春
とりあえず入って。廊下にずっと立ちっぱは嫌でしょ
倉石 樹里
倉石 樹里
そりゃ嫌だよ。しかもここ、女子の階だろ?変な噂たつのもめんどいから入れてくれ
卯月 心春
卯月 心春
どーぞどーぞ。あ、靴は脱いでよね
2人を招き入れ、ドアを閉める
花恋は私たちが会話している間に片付けが終わったのか、ボストンバックのチャックを閉めていた
岩見 花恋
岩見 花恋
やほやほー。さっきぶりー
倉石 樹里
倉石 樹里
呑気だな。そろそろ下降りねぇと、時間ないぞ?
岩見 花恋
岩見 花恋
えっ。あ、そういえば・・・・・・あと10分だっけ?
倉石 樹里
倉石 樹里
しかも由紀先生だろ?5分前じゃ叱られるぞ
卯月 心春
卯月 心春
あ、確かに・・・・・・
わっすれてた〜!由紀先生は5分前行動とかじゃ絶対許してくれないんだよ!それこそ、10分前でもギリギリなくらい!
私が悟ったと同時に、花恋は「あ」と、はっと思い出したように、一瞬固まる
岩見 花恋
岩見 花恋
や、やばばっ!
卯月 心春
卯月 心春
やばいばいばい・・・・・!
日本語なのか日本語じゃないのかわからない言語を口走り、一度顔を見合わせた私たちは、自分のリュックサックを引っ掴み、玄関にいる葵たちを手で押して部屋を飛び出した

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