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第7話

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2022/03/07 14:00











里見「 … なにこの状況 」

染谷「 なにって … 拷問 ? 」

柴崎「 言い方悪いぞそれ 」









LIP×LIP あいつらのせいで かつてのマネージャーと遭遇してしまった次の日 、私は2人に 中庭に呼び出されていた 。

指定された時間に来てみると2人の姿は見えなかった 。

呼び出しておいて遅刻かよ 、と心の中で呟いて スマホを取りだした瞬間 、急に後ろから 地面に押し倒された 。

押し倒された 、というより はっ倒された 、の方が 正しい気もするけど 。

恐る恐る顔を見上げると 仏頂面をした柴崎愛蔵の顔があった 。










里見「 あの 、、どいてもろて 」

柴崎「 あ ? 」

里見「 どいてください 」

柴崎「 じゃあなんで芸能界に戻りたくないのか言ってもらおうか 」

里見「 もうアイドルに憧れるのはやめたの 、ただそれだけ 」

染谷「 違うね 」

里見「 違うってなに 」

染谷「 あんたが嘘つく時は 髪を耳にかける仕草をするって社長が言ってた 」

里見「 っ 、 」

柴崎「 なあ なんでだよ 」

染谷「 嘘つくなよ 」

里見「 … た達に …… 」

柴崎「 え ? 」

里見「 あんた達に言ったって意味ないの !!! 」

柴崎「 おい !!!! 」










柴崎が一瞬怯んだ隙に 腕を振りほどいて走る 。

視界がぼやける 。

この涙は なんの涙なのか 。

苦しさ 、悲しさ 、後悔 、屈辱 。

違う 、この涙は花粉のせい 。なんの関係もない 。

そう自分に言い聞かせて 彼らが私を呼ぶ声を無視して走った 。











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