江口「あなたちゃああん…どうだった??大丈夫??」
そう言ってベッドに駆け寄ってくる
あなた「ストレス性高体温症、だそうです。」
江口「え、何それ。」
あなた「過度なストレスで体が耐えきれなくなってるらしくて…wストレスの原因を取り除くしか無いって。」
重々しい空気になる。
江口「それって…………………声優業が苦痛ってこと?」
あなた「…それは無いです。お仕事は楽しいし、…周りの……周りの方たちも、優しいので。」
声優をしている時が生き甲斐というか。
上手く言葉にできないけれど…
江口「人間関係?」
1分の沈黙の後、江口さんが口を開いた。
図星だった。
でも、江口さんにまた迷惑をかける__
江口「今余計なこと考えたでしょ。いいから話して。」
あなた「__最近…女性声優さんとかスタッフさんに悪く言われてるみたいで…」
あなた「それで、たまたまトイレで私の愚痴を聞いちゃって…怖くって…」
手が震える。目頭が熱い。
あなた「江口さん達に、色目使ってるって……………」
江口「……なるほどね…」
あなた「このまま私が江口さんの近くにいたら、江口さんまで何か言われるんじゃないかって…怖くって…私は邪魔なのかもって……それに___」
全部話しきる前に江口さんは私の口を塞ぐ。
江口「もういいよ。ありがとう。」
そう言って私の頭をくしゃくしゃと撫でると部屋を出ていった。
あなた「ごめんなさい…ごめんなさい………」
江口さんが出ていったドアに向けて呟いた
_________________江口さんside
壮馬「なんですかその胸くそ悪い話…」
そう言う壮馬を宥める。
江口「まぁ、そういうのもよくある事なんだよね。この業界。」
西山「後輩声優に仕事沢山来てたら嫉妬しちゃうのわかるもん〜」
壮馬「宏太朗は後輩気質だし嫉妬される側だよね」
江口「宏太朗はずっとみんなの後輩だよね。」
あなたちゃん大丈夫かな
壮馬「拓也さん、大丈夫ですか?」
そう言って壮馬が背中をポンッと叩く。
壮馬「あなたちゃんの症状を治せるのは江口さんだけだと僕は思います。」
西山「僕もそう思いますけどね」
江口「……」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。