第6話

4.平和
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2021/10/31 23:46
リア
リア
ほら!みんなご飯食べて!冷めるよ!
暗い雰囲気を変えようとしたのか、リアが大きな声でそういう。

気づけば最年少のマニーヤはすでに食べ始めており、他も少しそわそわしているようだった。

『食べていいの…?』と小さな声でサーヤが問うと、リアとリズが声を揃えて『うん!』と頷く。

それを見た他の子達もご飯を食べ始めた。
アレア
アレア
…それじゃあ僕も…いただきます。
出された食事の前で両手を合わせいただきますと呟くと、ゆっくりと食べ物を口へと運んでいく。
アレア
アレア
…美味しい。
別に『檻』の中でまともな食事が出されていなかったわけではない。

毎食決められたものではあったが、食事は充実していたと思う。

めちゃくちゃ失礼だが…今出されたものよりも、だ。

なのに、どうしてだろう。

2人が作ってくれたこの食事は、今まで食べたどんなものよりも美味しかった。
最初は何を言えばいいのか分からず沈黙が続いたが、リズの『お前らの好きなもんってなんかあんの?』という質問をきっかけに一気に話が盛り上がった。


─と、思っていた。
リズ
リズ
なーなー
始まりはリズの些細な質問だった。
リズ
リズ
お前らってさ、どうやって知り合ったの?
アレア
アレア
…え
リズ
リズ
いや、こんなに大人数で脱走って、どうしてこんなに人数集まったのかなーって思ってさ
どうして僕たちが知り合ったか…か。
逃げてから色々なことがありすぎて思い出す暇もなかった。

決して忘れてはならない人物…
アレア
アレア
…サリアのおかげだよ。

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