第5話

3.檻から
3,655
2021/10/31 23:10
アレア
アレア
捨て……ごめんね、嫌なこと思い出させちゃって…
僕は顔を伏せ、とても小さい声で謝罪をする。

ちらりとリズの顔を見てみると、とてもケロッとしていて
リア
リア
ん、あぁ、気にしなくていいよ。
リア
リア
私たち自身、特に気にしてないからさ。
『お腹空いてるでしょ、これ作ったからさ。沢山食べて!』  

と、僕たちを机のある方に案内するとそこに座らせ、笑顔で上記を言う。
アレア
アレア
そんな…助けてもらったのにご飯までなんて…悪いよ…
目の前の彼女らを疑っている訳では無いが、助けてもらった上に食事まで。と咄嗟に遠慮してしまう。

何よりこんな森の中、ましてや捨て子だと言う2人に、食料調達は中々困難なことだろう。




__などと色々考えていたのは、彼女から衝撃的な言葉を聞くまで。
リア
リア
遠慮なんてしないでよ。私たちが好きでやってる事なんだし。

それに…
リア
リア
君たち、“檻から逃げ出した子達でしょ?”
アレア
アレア
ッッ!?
唐突に来たその言葉に、僕はガタッと音を立てながら椅子から転げ落ちる。

周りも、何故知られているか とでも言うように大きく目を見開き、2人を見ている。
エレナ
エレナ
ど…どうして…
『どうして貴方達がそれを知っているの?』

震えた声でエレナが質問をする。


その質問に答えたのはリズだ。
リズ
リズ
知らねーの?
リズ
リズ
お前ら、今めっちゃ話題の的だぜ?
リズ
リズ
檻から子供が逃げたって、号外祭りでさ
リズ
リズ
俺たちに新聞買う金なんてねーから普段は世の中の情報なんてひとつも入って来ないけどさ、檻から子供たちが逃げたってすげーのな
リズ
リズ
至る所に号外散らばっててさ、流石の俺たちでも分かるよなーって
リズは、机に肘をついたままへらへらとそう述べる。
僕らが…話題の的?

号外…檻から子供たち…


…迂闊だった。逃げることで精一杯で、逃げたあとのこと、何も考えてなかった。



__僕たちが、時が止まったかのように微動だにしなくなったからこその言葉だったのだろう。
リズ
リズ
まー…ずっとお前らここ居ていいからさ、安心しろよ。
ここマジで人来ねーし
ニカッと笑いながら、彼はそう言う。
その笑顔は、雲ひとつない空のように明るかった。
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作者音寧
作者音寧
もう無理だわ
作者音寧
作者音寧
3ヶ月かけて完成したものはゴミでした
作者音寧
作者音寧
泣きたい

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