昨日、廉くんに送ってもらった
正直誰かに送って貰ったことなんてない
だから、人によく言われるよ
ぼっちって
でも、友達居るからね?!
でも……、
そろそろ恋人欲しいです
そんな時に現れた廉くん
この出会いは、運命?それとも悲劇?
朝、誰かから声をかけられた
そう話している時だった
こっちに向かって廉くんが歩いてきていた
全くもって気づかなかった……
またいじけちゃうのかな?
その姿を見て、若菜ちゃんはあたしの気づかない間に消えていた
言葉をなくした
だってあたしの、両親は離婚しているから
理由は1つ
父さんの、ギャンブルだった
父さんは気性の荒い性格であたしと母は
そんな父さんから逃げていた
そうして、家に離婚届を残し家を出た
だけどその離婚届を、父がどうしたのかは分からない
だから、あたし達は父から逃げるためにここに来た
何度も引越しを繰り返していたのは
たった一つこれが全てだ
あたしはか固まっていた
どんな顔をしていたのだろう?
廉くんが声を上げる
てか、何この空気。
んで何ゆっくり歩いてんのあたしっ!
はぁぁぁぁぁー?!?!?!
言うんじゃなかったかな……?
今まで、両親の話なんてする必要なく明るい自分演じてきたから……
ふつーに親の都合で通ってきた
誰かに言うと、どこかで話が広まってそうで
こわくて……
信じれないで、本当の理由なんて隠してきたのに
なんでこんなにも、廉くんには素直なんだろう?
なんであたしは、廉くんの前だと素直になれるんだろう?
今でも、誰とも本音で言い合うこともなく
本心を言うことも1度もなかった
だってどんだけ、明るく振舞っても
自分は自分でしかないから
結局、誰も信じられず本音を言うことも無く
自分を騙す。
そんな、弱い自分が“本当の自分“
息をするように、自分を騙し明るい自分を繕う
弱い自分が本当の自分
だけど、廉くん一緒にいる時だけ
自分が自分じゃないみたいに笑える
自分をつくろうことも無く
人に合わせることもせずとも
気軽に、明るく笑える
廉くんがいると、落ち着いて
廉くんの笑顔見ると何考えてたのかなんて忘れてしまう
ここに来て、あたしは本当に変わった
廉くんという人間と出会ってもっと……♪
本当にありがとう
あー……
泣いてしまいそうだ
しっかりしなきゃ!!
じゃなきゃ、涙が頬を伝う……
だけど、こんなに溢れ出すのは何故だろう?
この涙はなんの涙?
なぜ泣いてんの?
少し暑いこの気温かな?
いゃ、違う
あなたの言葉があんまりにも優しすぎるから
あたしは、母から軽蔑されてるわけじゃない
愛してもらっている
なのに、何故こんなにも溢れるんだろう?
分からない分からない
だけど、ただ分かるのは……
貴方があたしにくれる優しさは、いつもあたしを救ってくれる
そう言い合いながら、帰って行った
こんなに言い合って笑い合うのも正直初めて……
これを本当の幸せって言うのかな?
あたしは、この日常が大好きだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!