これはどこにでも居そうな
けれどちょっと変わってて
“個性”が目立つ高校2年生の
漫画の世界に憧れた男のお話。
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教室に入ってく僕への視線は冷たい。
僕は無視をして自分の席へ向かった。
それが気に入らなかったのか
Aは
ガタンッ
僕の胸倉を掴んだ。
ガタンガタンガタン
僕はみんながいる机の方へ飛ばされた。
痛い。
クラスメイトは誰として助けようとしない、
見向きもしない
これがここの“普通”なんだから
そして僕は完全に孤立した。
Aもいなくなった今
僕に話しかけるやつはいなくなった。
悲しい?
嬉しい?
僕には分からない。
ただひとつ言えることは
“解放された感動”
これだけかな。
僕はみんなとは違うところがある。
あるけど、1人の人間。
差別なんてあってはいけないと思うんだ。
心のどこかでは悲しいと思ってるのかもね。
人間は落ちこぼれた。
キーンコーンカーンコーン
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僕は神林 涼。苗字で呼ばれることなんて……ほとんどない。
“障害者”。こう呼ばれることしかない。
僕の欠けてるモノ何かわかったよね。
僕には
性別がない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!