テヒョンside_
俺は今まで本気で人を好きになったことはない。
今まで二人の女と付き合った。
でもちゃんと好きだったわけじゃない。
俺は『好き』という気持ちが少しもわかっていなかった。
いや、分かろうとしなかった。
女はみんな一緒だと思ってた。
だけどそんな考えは一瞬にして変わった。
いや、変えてくれた。
高校生2年生のある日_
廊下ですれ違った一人の女になぜか一目惚れしてしまった。
そいつは友達と楽しく笑ってた。
俺はそいつの笑顔に惹かれた。
それがあなただった。
あなたと親しくなるうちに俺はこいつを幸せにしたいと思うようになった。
そのとき俺は初めて人を本気で好きになった。
俺はあなたが好きなんだ。
その笑顔も心も全部俺のものにしたい。
この気持ち、あなたには届いてないだろうな。
届くはずないよな。
でもいつか、あなたの頭から俺が離れられないようにしてやる。
覚悟しとけよ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!