第11話
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治
あなたがサーブを打つ時…
あなたがサーブの位置に立った。昔からサーブが苦手だったあなたは不格好なポーズでサーブを打ち、ボッと言う音とともにボールが飛んでいき相手側のコートの真ん中に飛んでいった。何の仕掛けもないサーブだ。
治「ほんとにサーブ苦手なんやな」
『サーブってさぁなんか怖いじゃん。一人ぼっちに戻ったたいで』
なんや?
治「一人ぼっち?」
『うん…あ、次始まるよ』
戻るってなんや、どういうこと?
あなたは寂しそうな、辛そうな目で一人ぼっちと言う言葉を発していた。
あなた絶対、何か俺らに隠しとるやろ。辛いならいえや…
あなた
『侑はどこにでもトス、上げてくれるんだよね』
侑「まぁ上げるけど…」
治「何するつもりやあなた」
『いや速攻できないかなぁと思って』
治「さすがに無理y」
侑「いいなぁ!それ、やろう!やろう!」
治「は、はぁ?」
『でも、これ相当侑に負担かかると思うけど、いいの?』
侑「やらんよりかはええやん!」
治「ほんまにできるんか?」
侑「わからんけど…でも普通にスパイク止められるよりかは速攻でチャレンジしたほうがええと思うんやけど?」
治「はぁ、こうなったら侑を止められんことは分かっとる。速攻チャレンジしぃ」
侑「うぇーい」
『ありがとう治』
次のセットはこっちからの、侑のサーブになった。
『ナイスサー』
トントンとボールを突く音が聞こえる。
また強烈なのが来るぞっと思っていると
ボッ 鈍い音が鳴った。
えっ侑ってジャンプフローターサーブも打てるの?!すげぇ!
そのボールは見事にアラン君のところに飛んでいた。すごい変化球だったのだが、それを見事にレシーブするアランくん。
3年生ってスゲェ
少し乱れたものの角名君がカバーして、北さんが打った。威力はあまり無いけど、コートの打ち分けがすごく上手だった。ボールは僕と治の間に飛んで行ったがそんなに僕たちも甘くはない。治がレシーブをした。
おっとこれは僕と侑の出番じゃないですか?いっちょかましてやりますか。できるかわからない速攻を。
治が囮に入ってくれるようだ。僕はいつものように助走をして飛んだ。それとほぼ同時に僕の手にはボールがあって
-バゴーンっ-
侑、あなた「「ヨッシャー!!」」
治「ほんまにやりよった…」
ア「はぁ!!?速攻?!」
まさか一発でうまくいくとは思わなかった。僕と侑って相性いいのかな。
『侑、ナイストス!』
侑「まさか一発でうまくいくとは思わんかったわ」
角「アンタら久しぶりに会ったんよな?」
侑、あなた「「そうだけど?」」
角「すげぇ化けもんや」
侑「化けもんてなんや、化けもんて」
北「次、始めるで」
『あっすみません!』
北さんはいつでも平常心だな