第16話
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治
ここ1週間ずっとあなたはサーブ練をしとる。でもやっぱりずっと暗い顔しながらやっとる。多分この前の3対3の時言っとった『一人ぼっちに戻ったみたい』て言うのが関係しとるやろうと思う。今日お風呂入ったら侑と1回話し合わなあかん。
治「なぁツム」
侑「なんや?」
治「あなたサーブの時やっぱおかしないか?」
侑「あっそれ俺も思った。サーブする時とかなんか変やよな」
治「そうそう。この前の3対3の時、あなたが『サーブする時一人ぼっちに戻ったみたいで』って言っとったんや」
侑「はぁ?どういうことやそれ」
治「多分やけど小六まではずっと俺らとおったで、一人ぼっちではないはずだから…中学ん時何かあったんやないかなと思う」
侑「確かに」
治「だから今度________」
あなた
はぁ疲れたここ1週間サーブしかやってないんだけど…さすがの僕でもスパイク打ちたい!しかも全然サーブ上達しないんだけど!何?僕の体はサーブ打てない体なの?
はぁ
そんなことを思いながらサーブをやっても上達しない集中してやろう。
『はぁー疲れた』
侑「最近サーブしかやってへんでなあなたは」
『うん…そろそろスパイク打ちたい!』
治「しかも全然上達しぃへんでな」
『そうなんだよ』
治「そんじゃ気分直しに今度、家に泊まっていいかへんか?」
『おーっ行きたい!行きたい!』
侑「やったーあなたと久しぶりの泊まりや!」
『確かに、小六以来だね』
治「じゃぁ今度の土曜日で」
『お母さんとか大丈夫?』
治「あぁその日はいないんや」
『治にしては準備がいいな、じゃぁその日お邪魔さしてもらうね』
治「おん」
侑「やったー楽しみや!」
久しぶりのお泊まりだな、超楽しみ!
『あっそういえば夕飯どうするの?』
侑、治「「えっあなたが作って」」
『えっ僕料理あんまできない』
侑、治「「えっ!」」
え!僕、料理できると思われてたの?僕そんなに料理できないんだけど…
侑「あなた料理できないの?!」
『逆になんでできると思ったのさ!』
治「なんか、できそうなオーラがあるじゃん!」
『なにそれー!』
料理はどうなるかわからないけど楽しみだ。
その日を楽しみにしてからサーブ練ばっかりだったバレーも少し時間が流れるのが早く感じ、あっという間に土曜日になった。