第23話
22 過去編
あなた
『ん、』
気がついたときにはもう夜になっていた。
『いっ!』
蹴られたところが青くなっている。派手に内出血しているようだ。下手に動くととても痛い。怖い。その感情が僕の中には残っていた。
帰ろう。母さんになんて言うかな。適当にチャリでこけたとかいっとくか。
どうしよう明日部活行くの怖い。でも行かないとバレーできないし…とっとにかく帰ろ。
思って家に帰ると母さんはいなかった。今日出張って言ってたっけ。
ー次の日
はぁ大丈夫かな。昨日の先輩ないかな。もういいや、入ろう。
ーガチャー
中に入ると、昨日の先輩はいなかった。その代わりに主将に肩を掴まれた。なんだと思ってびっくりしてると
主「大丈夫だった??!」
『えっな、何がですか?』
主「昨日、悪から蹴られたでしょ?!」
な、なんで知ってるんだろ?
『えっ、あ』
主「足、見して」
黙って見せると青紫のアザがいくつもある足。
みんなびっくりしている。はぁ気持ち悪いから見せたくなかったのに。下手でもいいからテーピングしてくればよかったかな。
主「痛そう…テーピングしてないね。保健室まで送って行くよ」
保健室に行くことになり僕と主将は部室を出た。何となく気まずい雰囲気になり、他人との沈黙が嫌いな僕は主将に話しかけた。
『えっと悪先輩は…』
主「あっあいつは今校長室で叱られてるよ」
『え…』
主「1年C君が教えてくれたんだ」
『そうだったんですか。後でお礼言わなきゃ』
あー最悪。
先「はい、これでオッケー。もうすぐ授業始まるから早く教室行くんだよ。」
主「あっほんとだ」
『はい、ありがとうございました』
主「また部活でね」
『はい』
そう言って僕と主将は保健室を出て、反対方向に分かれた。
あーあ、教室行ったらもう授業始まってるだろうな…
ーガラガラー
『すみません遅れました』
もう数学の授業は始まっていた。しかし先生は顔をしかめずに心配そうな顔で
先「事情はしっとるから大丈夫。」
えっなんで知ってんの?話が広まるの早くない?
そう思いながら僕は席に座った。
ーキーン コーン カーン コーンー
はぁ〜やっと終わったいつもより疲れたし、授業が長く感じられる。眠い。そんなことを考えてぼーっとしていれば、友達が近くに来た
友B「あなた!怪我、大丈夫?」
『えっ何が?』
友A「昨日先輩に蹴られたんだろ?」
『あぁ大丈夫だよ!』
友A「よかったー」
僕は苦笑いして答えた。もし侑や治にこんなこと聞かれたらすぐバレるんだろうな。
会いたいなぁとか今何してるんだろうとか考えて次の授業はしのいだ。