(hkt side)
「〜〜のこと、絶対忘れない。また明日な。」
「〜〜」って誰のことだ。そう思いながら、俺は目を覚ました。時計を見ようと手を伸ばすが、いつもと違う。
「あ、そうか、俺昨日ソファで。って、あいつは!?どこいった!??」
ふと現実に戻される。昨日、俺が運んだやつがいない。やっぱり俺の幻覚か?そう思っていると、やつはとんでもない格好で、俺の前にやってきた。
「はぁ〜、気持ちよかった!ほっくんのとこのシャワー、高級ホテルみたい!!しかもめっちゃキレイ!!!」
そう俺に話しかけてきた彼女をみると、タオルを一枚巻いただけの姿だった。
「お前なんて格好してんだよ。昨日の服は?」
(寧々)「え〜、一日着たやつをもう一回着させるの?ほっくん最低〜。やっぱり命無駄にしようとしてるしてるやつはそういう思考になるの〜?」
でた。はじまった。
とか考えてる場合じゃない。とりあえずこの格好をどうにかしないと。彼女なんてできたことはない。こいつくらいの大きさ似合うやつ知り合いなんて俺にいるわけない。
(寧々)「ほっく〜ん??どしたの?具合でも悪い??」
「服……。」
(寧々)「へっ……??」
「俺の服貸してやるから、来てこい。クローゼットの中に入ってる。その、ブラジャー//とかは洗濯してやるからそれまで、俺の服着てて。」
そう言いながら、俺の洋服部屋にやつを突っ込んだ。
あいつ何考えてんだ。見た目的に、どんなにいってても高校生くらい。恥ずかしさとかないのか?
そうあることないこと色々考えているうちに、
「ほっく〜ん、これ借りちゃったけど大丈夫??」
と声のする方に視線をずらすと、そこにはぶかぶかのTシャツを3枚くらい重ねてきた、なんともかわいいやつの姿があった。
「お、おう……。それ部屋着だけど。」
(寧々)「よかった〜。ほっくんの持ってる服みんなおしゃれだね〜!って、何ずっと見てるの?まさか透けてる!?」
とあたふたしてる姿もかわいい。
って、俺さっきからかわいいかわいいしか言ってねぇ。しかも未成年だよな。俺大丈夫か?捕まらないか??
(寧々)「ねぇ、やっパリ今日ほっくん様子おかしいよ?具合悪いんじゃ…、あ!まさか、また死のうだなんて考えてないよね?それはだめ。それだけは。ほっくんだめだよ涙」
「ちげぇよ。ってか、俺これから仕事なんだけど。」
やべ。口が滑った。と思ったときにはもう遅い。
やつの目は、新しいものを見つけた子犬のようにキラキラと輝いていた!
「ほっくん!!私もほっくんが仕事してるところみたい!!」
第7話に続く……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。