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2020/12/17

第5話

寧々②
(寧々side)
「私はね、村岡寧々、です……。」

なんで人に名前を言うのがこんなにも緊張するのか。私の心臓がバクバク鳴っている中、ほっくんは涼しい顔をしていた。

(hk)「お前、年齢は?」

「来月15歳になるの。ほっくんは?」

あ、やばい。あって数分の人に、癖であだ名で呼んでしまった。あ〜、怒ってるかな?なんて葛藤しながら、ほっくんの顔を恐る恐る見ると、そんなことはなくて、まるで子犬が微笑んだときのような顔をしていた。

(hk)「まってwwwほっくんとか初めて呼ばれたわ、アハハハw」

「え!?そんなに笑うこと!?ツボる要素何もなかったよね!?え!?」

戸惑いを隠せない私をを見ながら、ほっくんはずっと笑っている。あまりに笑うので、ムスッとした顔で、ほっくんを見ていたら、

(hk)「ごめんごめんwあー、そんな顔すんなって。」

「だって、真面目に答えただけなのに、ずっと笑ってるんだもん…。」

(hk)「ごめんごめん。あー、久しぶりにこんな笑ったわ。お前最高。」

「そういうほっくんは何歳?」

(hk)「お前と同じ、先月15になった。」

「え!同い年だったの?大人っぽいから高校生くらいだと思ってた。」

(hk)「よく言われる。病院にいるってことは、なに?どこか悪いの?」

「まぁ、じゃなきゃ入院はしてないよね。ほっくは?足骨折したの?」

(hk)「いや、骨折じゃなくて、膝の靭帯を切った。」

「え、なんか想像するだけで、こっちまで痛くなってきた。」

(hk)「なんだよ、それ。俺、サッカー部の部長でさ、2週間後に中学最後の大会があったんだけど。もう無理だな。全治1ヶ月って言われたし、靭帯ってさ、骨みたいにすぐくっついてくれるわけじゃなくて、人によってもとに戻るスピード違うから………、…。」

と、ほっくんはほっくん自身のことを長く語っていた。たぶん、両親にも、部活の仲間にも友達にも今話してる内容をなかなか伝えられなかったんだろうな。そう思いながら、ほっくんの長い話は終わりを迎えた。その目にはキラリと光るものを浮かばせて。

(hk)「今年こそ…。今年こそは、去年の先輩たちの悔しさを返上しようって、代が変わる前から団結してやってきて…。しかも俺部長なのに。最後の最後に迷惑かけてしまったことに申し訳ない気持ちでいっぱいで。ってごめん。こんなあってすぐのやつの話なんて興味ないよな。」

鼻を赤くして、申し訳なさそうに頭をかいたほっくんを、私はいつの間にか包み込んでいた。

(hk)「え……。お前何やって。」

「ほっくん、ほっくんは自分のことそんなに責めなくても大丈夫だよ。みんなは分かってるよ。誰よりも最後の大会にかけていた思いも、頑張ってる姿も。だから、みんなはほっくんを部長にして、うまくいかないときも支え合ってこれたんだと思う。って、わたしもごめんね。わかったような口きいちゃった。私の悪い癖。ごめん。」

そこまで私がいったとき、ほっくんはさっきよりも更に大きな声で、泣いた。私のパジャマにほっくんの青春がつまった涙のしみが広がっていた。



何十分たっだろうか。ほっくんは落ち着いたようで、私は優しくほっくんをもとの位置に戻した。

「落ち着いた?」

(hk)「ごめん、泣きすぎてお前のパジャマが…。」

「ぜんぜんいいよ〜。替えはいくらでもあるし〜。でも、なんかいいなぁ、青春って感じ。私もそんな中学生活送ってみたかったなぁ。」

(hk)「お前、そんなに身体よくないの?」

ほんとのことを言ってしまおうか。でも、この人は一ヶ月後には、退院をしてまだまだ生きていく人。そんな人に、私のような通り過ぎていなくなってしまう人間のことを覚えてほしくない。

「ん〜。内緒……😊あ、もうこんな時間だよ。さすがに部屋に戻らないと怒られる〜!帰ろ!」

そう言って、ほっくんに背を向けた。そういえば、ほっくん足怪我してるな。

「ほっくん。立てる?病室まで送っていく??」

(hk)「うん。ありがとな。さすがに病室までは大丈夫。お前こそ大丈夫?」

「うん。君より、私のほうがこの病院の構図には詳しい自信ある!笑」

と、二人で、そんな他愛もない話をしながら、二人を別れされる帰路についた。

「じゃあ、私こっちだから」

(hk)「おう。なんかすっきりしたわ。ほんとありがとな。」

「やめてよ〜。恥ずかしいじゃん!!じゃっ、よく寝るんだよ〜」

と、病室に帰ろうとすると

(hk)「寧々!!」

そう呼ばれた。初めて名前で呼ばれたとか気づいたのはあとの話だけど、いきなり呼び止められて、後ろを振り返った。

(hk)「また、明日な!!」

生きていてこんなにも良かったと思える瞬間があっただうか。毎日同じ、外にも出れない、そんな私の日々が、ほっくんとの偶然の出会いで、色鮮やかになるなんて。

「うん!また、明日!!今度は病室遊びに行くね!」

こんな明るい声で話したのはいつぶりだろうかたいう声色で、ホッくんに精一杯の笑顔を向けた。


第6話に続く。

一旦過去編はここまで。また後半に出てきます。