『本日は■■■■観光バスをご利用いただき、まことにありがとうございます。』
『このバスは今から黒子のバスケ、黒子のバスケに停車いたします』
『未熟ゆえの修羅場にお気を付けください。』
『すぐ着きますからね』
『黒子のバスケ〜黒子のバスケ〜お出口前方です』
アナウンスと共に
大きく揺れながら止まったバスは
扉を開き
私達が降りるのを待っていた
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ま、まさか二次創作小説にやたらと出てくると噂の合同合宿?
「そんな広い施設なんて部費で行けるわけないだろ!」とツッコまれ続けてるという例の!
内心、私はワクワクしていた
だって初めて実物を見たんだもん
好奇心が抑えきれない
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宿泊施設の戸を開くと
なかなかに広くて綺麗な玄関だった
なぜか高そうな花瓶の中にバラやユリが生けてある
いや、運動部の合宿するような場所に置いてて大丈夫なの?
私達は入ってきたことに気がついた施設の人が
小走りで近づいてくる
従業員「すみません、こちらは今日からしばらく貸し切りで……」
少し申し訳なさそうに頭を下げて言う姿に
罪悪感がわかないわけでは無いが
ここは勝負の時だ
演技のスイッチをオンにする
従業員「え、ええ……六校合同で男子バスケ部の方が」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。