第17話

黒バスの夢①
88
2020/06/08 14:51
『本日は■■■■観光バスをご利用いただき、まことにありがとうございます。』

『このバスは今から黒子のバスケ、黒子のバスケに停車いたします』

『未熟ゆえの修羅場にお気を付けください。』
『すぐ着きますからね』
美空
美空
……黒子のバスケかー
花澄
花澄
また降りないとだね
茉桜
茉桜
今度もどうなることか
雪華
雪華
平和に終わるといいんですけど……
美空
美空
にしても、どこに降ろされるんだろう……
『黒子のバスケ〜黒子のバスケ〜お出口前方です』
アナウンスと共に

大きく揺れながら止まったバスは

扉を開き

私達が降りるのを待っていた
────────────────
花澄
花澄
……降りたはいいけど
花澄
花澄
ここ、学校じゃない
雪華
雪華
宿泊施設ですね、旅館でしょうか?
茉桜
茉桜
合宿所かもしれない
ま、まさか二次創作小説にやたらと出てくると噂の合同合宿?

「そんな広い施設なんて部費で行けるわけないだろ!」とツッコまれ続けてるという例の!
内心、私はワクワクしていた

だって初めて実物を見たんだもん

好奇心が抑えきれない
雪華
雪華
どうやって入ります?
雪華
雪華
一般人は入りずらそうですよ
花澄
花澄
怪我人のフリは出来ないし……
茉桜
茉桜
旅館にしろ合宿所にしろ、入るためには予約が必要のはず……
美空
美空
ねぇ、私に考えがあるんだけど……試していい?
花澄
花澄
なに?
───────────────
宿泊施設の戸を開くと

なかなかに広くて綺麗な玄関だった

なぜか高そうな花瓶の中にバラやユリが生けてある

いや、運動部の合宿するような場所に置いてて大丈夫なの?
茉桜
茉桜
ココ?今日から泊まるところって
花澄
花澄
地図を見る限りはそうだね
私達は入ってきたことに気がついた施設の人が

小走りで近づいてくる
従業員「すみません、こちらは今日からしばらく貸し切りで……」
少し申し訳なさそうに頭を下げて言う姿に

罪悪感がわかないわけでは無いが

ここは勝負の時だ

演技のスイッチをオンにする
美空
美空
え、ええっ!?なんでですか???
美空
美空
前々からみんなでお金貯めて、やっと予約して来たのに……
雪華
雪華
し、仕方ないよ
雪華
雪華
きっとなにかの事情があって……
美空
美空
やっぱり私達は、女子バスケ部は男子バスケ部の影に隠れて消えていけってことなのかな……
茉桜
茉桜
落ち着いて、団体の方が入ったんですか?
従業員「え、ええ……六校合同で男子バスケ部の方が」
美空
美空
また男子バスケ部…!!

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