第15話

鬼滅の夢最終話とバス
76
2020/06/04 17:37
美空
美空
も、もしかしてふざけてたりする……?
震える小さな声で絞り出した言葉は

地面に吸い込まれて消えた
茉桜
茉桜
解決したし、バスに戻りたいんだけど…
雪華
雪華
迎えに来てくださるのでしょうか
花澄
花澄
えっ、バス戻るの?
茉桜
茉桜
さすがに鬼滅の刃の世界では生きていけないから
花澄
花澄
あー、うん、そっか
雪華
雪華
今度はもう少し現代に行きたいです
発言に違和感をおぼえ、そのままを口に出す
美空
美空
……自分のいた場所には戻らないの?
雪華
雪華
そういえばそう……ですね?
茉桜
茉桜
あれ……自分のいたところが思い出せない
花澄
花澄
そもそも私達って…………
私達の会話を裂くようなけたたましい音と共に

私達が乗って来た大型バスが森の中に現れた
花澄
花澄
……来たね
雪華
雪華
乗りましょう、来た時と同じように
茉桜
茉桜
そうだね
私は、バスのタイミングの良さと

チラリと後ろを見れば動きを止めている人や木々に

寒気のようなものを感じながらバスに乗り込んだ
─────────────────
『2度目のご乗車ありがとうございます』
『4名とも無事にお戻りになられたのは幸いです』
花澄
花澄
よく言うよ、下ろしといて
花澄
花澄
ちょっとくらい説明してくれてもいいんじゃない?
『申し訳ございません、下ろした先でのことは言えないのです』
『ですがワタシ自身のことでしたら、ご自由にお聞き下さい』
雪華
雪華
でしたらお名前はなんというのでしょうか
『木に、凡から点を除いて几と書いて、キキと申します』
雪華
雪華
キキさんというのですね
茉桜
茉桜
キキさんか
花澄
花澄
キキさんは、なんのために私達を乗せたの?
『いえいえ違います、あなた方が乗ってきたのです』
花澄
花澄
えっ……?
『一瞬でも乗られる方は意外と多いんですよ』
茉桜
茉桜
意味がわからない
雪華
雪華
目覚めたらここに居たのに?
『思い出せないのならそれでもいいですよ』
茉桜
茉桜
……じゃあさ、このバスの内装って誰がしてるの?
茉桜
茉桜
自分が知ってるバスの座席の柄じゃないんだけど
『ワタシがしているとも言えますし、座る方がしているとも言えます』
雪華
雪華
青空模様も薔薇模様もあるんですけど……
茉桜
茉桜
私が最初に座ってた席はサボテン柄なのに、横は花束模様で統一感無さすぎじゃない?
花澄
花澄
夕焼けの絵が描いてるのも蝶々模様もあるね
美空
美空
私が座ってたところはバスケットボールの絵が描いてたなぁ
『人それぞれの席があるんですよ、大切な席が』
花澄
花澄
………やっぱり正直に話す気無いじゃん
『さて、皆さん』
『次の場所に近づきましたよ』
美空
美空
………絶対はぐらかした

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