第11話

鬼滅の夢⑨
103
2020/05/28 12:43
暗い廊下、白い髪の怖い人

その場に立つ若い女の子

間違いなく、他人から見たら事案である
美空
美空
あ、あの…話って……?
不死川「……秘密は守れるか?」
茉桜
茉桜
はい、守れます
美空
美空
く、口は固い方です!
不死川「なら、今からする話は誰にも言わないでほしい」
茉桜
茉桜
はい
不死川「俺は、いや……私はこの小説の主人公、だった」
不死川「不死川成り代わり夢小説の」
茉桜
茉桜
過去形ですか
不死川「ある日、一人の少女が突然[登場人物]として現れ」
不死川「それからこの小説は変わっていった……」
不死川「最初はずいぶん愛でられているな、と思っただけで何もおかしく無かった」
不死川「だが、だんだんとストーリーの場面はその少女に絞られていって」
不死川「気がつけば、少女はあなたと呼ばれ」
不死川「私は、ただの”不死川実弥”として扱われるようになっていた」
茉桜
茉桜
夢小説の乗っ取り、ですね
美空
美空
アレが”主人公”になってしまうのは辛いでしょうね……
不死川「私は、自分が”主人公”であった記憶がある。だが今の主人公はあの少女なのもわかっている……。」
不死川「ただただ辛くて、仕方がない」
不死川「”主人公”に戻れないなら、私は消えて普通の不死川になりたい」
不死川「そう思って、過ごしていたら」
不死川「君達がやってきた」
不死川「この世界の住人でも、あの少女の仲間でも無い君達が」
不死川「だからお願い、助けて……」
不死川「この小説を終わらせて、私を解放してほしい……」
茉桜
茉桜
……わかりました
茉桜
茉桜
自分で良ければ、力になります
美空
美空
出来ることはやらせてもらいます!
不死川「ありがとう」
美空
美空
あの主人公の小説をずっと読むのはキツいですから……
───────────────
密会がバレないように暗い廊下からバラバラに出る

元々の主人公と今の主人公

なぜ二人になった?

そしてなぜ私達は……
聞いた話を反芻し、考え込んだ時

玄関の方から激しい音と大きな声が聞こえた

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