ある日、俺が配信をしていると、いつもはドアをノックするのにノックもせず彼女が部屋に飛び込んできた。
彼女は泣きながら部屋を出ていき、俺は配信を終える用意をする。
そう言って配信を切り、急いで寝室へと向かった。
寝室のドアを開けると、彼女は泣きながら菜乃を抱きしめていて、菜乃も泣いている。
俺も内心パニック起こしてるけど、俺以上にパニックを起こしてる彼女を安心させるためにも、俺が落ち着かなきゃ。
保険証やら母子手帳やらを用意し、車に乗り込んで近くの小児科に向かった。
取り乱していた彼女を看護師さんが連れ出してくれて、俺は菜乃をあやしながら診察結果を待った。
お礼を言って診察室を出ると、彼女は待合室の椅子に座って待っていた。
看護師さんに話を聞いてもらったからなのか、いつもの笑顔を向けてくれた。
お会計などを済ませて家に着き、看病の大変さを身をもって実感することになるのである。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。