第11話

『アレ』

708

2019/05/02 08:19

避難所へ着くともう二人は帰って来ていた。
ジェルを抱えた俺を見ると、なーくんは俺よりも真っ青な顔をして救急隊員を呼んでくれた。莉犬は虚ろな目をして変わり果てたジェルをじっと見つめていた。

ジェルは最優先だといってヘリで真っ先に大きな街に連れていってもらった。

莉犬

、、、

ななもり

、、、ジェルくん。大丈夫かな

さとみ

、、、分かんねぇよ、、
でも、もう、、、、

莉犬

！！

莉犬

なに。それ！

さとみ

え？

莉犬

ジェルは。ジェルは！
生きる！生きるんだよ！

莉犬

だから！！！！
変なこというな！！！！！！！！！
俺らが思ってるより、、、ジェルは、、、もっと！もっと！
ひっぐ、、うっ、、、、
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！

ななもり

莉犬！落ち着いて！！
俺らだって分かってる！！！！
分かってんのにどうすることもできないんだ！

ななもり

『アレ』さえも変えられなかった俺らに！人の生き死になんて変えられるわけないじゃん！！！！！

莉犬

うっ、、、

さとみ

、、、

なーくんの言う、アレとは。




俺はあの時の出来事を思い出していた。

いいねして作者を応援しましょう！

第12話奇跡

まつり

ノンジャンル
貴方のために別視点

コンテスト受賞作品

グランプリ

好きになるのはキミ限定【完結】

なぁな

編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。