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第9話

#9
1,710
2018/09/24 07:12
テオくんは、おもむろに俺の手をとる。

そしてそのまま指を絡めた。


「…っテオくん」


また、鼓動が早くなる。

俺を真っ直ぐジッと見つめて、更にテオくんは口を開く。





「今だけ…今だけなら、“寝ぼけていた”で済まされるけど……どうする?」





ああ、もう、ずるい。

テオくんにそっと抱きしめられ、足を絡められる。

心臓がこれまで以上にバクバクいっている。

くっついているところから伝わっていきそう。

破裂しそうな心臓を抑えて、俺はそのまま静かに眠りについた。




二人の寝息が聞こえた頃には、もう時刻はとっくに午前四時に回っていた。





fin

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