第4話

#4
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2018/09/24 06:56
扉の向こうからペタペタと足音が聞こえる。


「!」


おそらくテオくんだろう、その足音はどんどん近づいてくる。

自分の鼓動が、更に早くなるのがわかる。

俺はとっさに目を閉じた。



「…」

「…」

「起きてるんでしょじんたん」

「え、気づいてた!?」


テオくんはバレバレだって、と笑いながら言った。

なんだか恥ずかしい。


「てか、まだ寝てなかったんだ」

「え、うんまあ…なんか…寝れなくて」

「じゃあ俺もいーれて」


テオくんはなんのためらいもなく既に先客の俺がいる狭いベッドに入ってきた。

ぎゅうぎゅうと奥の方に押される。


「狭い」

「テオくんが招いたんじゃんっ」

「わかってるよ」

「…」

「…」


沈黙。

静かな部屋に、時計の秒針だけが聞こえる。

テオくんと、目が合った。


「じんたん、」

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