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第1話

『 幼馴染と彼と私 』


☆0☆





長い年月 一緒にいる友達。
ただ それだけ。

でも時には、大きな力となる。



良くも…




悪くも…








☆1☆


校舎と一緒に卒業記念の撮影をするからと言われ、
皆んな一斉にベランダへ出た。

いつもノロマな私は、
やはり今回も出遅れた…

「上の階からでも映るぞ〜」

先生がそう言うと、後ろの人達は、
階段をかけ登った。

背が低い私は、後ろの方では映らない。

それに、

「神ちゃん!上いくぞ!」

「おん!」

密かに想いを寄せている彼が、上の階に行くのが分かった。


こんな写真、映るの小さいし、大した事ない。


けど…


少しでも 彼の傍で。


私は階段をかけ登った。

その時の私は、いつもの私とは違って機敏だった。
気がする…






☆2☆


シ「珍しっ!〇〇が階段走っとる!」

〇「シゲ うっさい!」

シ「誰かの隣に行きたかったのかな?」

〇「チョット!!!」

私は慌ててシゲの口を両手で塞いだ。
そのまま踊り場の隅で、

〇「言わないでよ!バレちゃうじゃん!」

と、小声で言った。

シ「んググゥ、、、」

シゲは、私の腕をポンポン叩き始めた。

勢い余っていたせいか、私はシゲの鼻まで塞いでいたらしい。

ポンポンが早まってきて、ようやく苦しんでる事に気付き、両手を離した。

シ「プハァッ!ハァ、ハァ、ハァ…」

〇「ご、ゴメン!」

シ「コ〇す気かぁーーーーッ!!!」

〇「ホントにゴメン!大丈夫だった?」


でも、ハァハァ 言ってるシゲが面白くてつい…


〇「ぷっ!!!あはははは〜〜〜(笑)」

シ「笑い事やないで、ホンマ〜(笑)」

〇「ゴメンね。」

シ「 “ 貸し” な。」

〇「えぇぇぇーーッ!」



そんな事をしていると、




神「シゲおった〜」







☆3☆


他の人と混じって、上の階から彼が降りてきた。

って事は…

神「何しとったん?撮り終わったで。」



やっぱり…



マジ凹むわぁ〜〜


シ「映れんかったぁ〜〇〇のせいや〜」

〇「えっ!なんで私?シゲのせいでしょ!私だって映りたかったのに!」

シ「じゃあさ、ふたりで撮って合成してもらお!」

シゲはスマホを取り出し、私の肩を抱き寄せた。

シ「はい、笑うて〜」

〇「なんで撮るのぉ〜オカシイって!」

私は凹んでたせいか、そのテンションに付いて行けなかった。

それに…

傍で彼が見てるから…


〇「もぉ〜やめて!」

シ「なんでなん?小さい頃はよく撮ってたやん!」

〇「そういう問題じゃないの!」

シ「 “ 貸し” 」

〇「はぁ?」

シ「さっきの “ 貸し” なら ええやろ?」


どうしてそんなに撮りたいの?
ワケわかんない。


シ「〇〇!はい、キムチ!言って!」

〇「え…はい、キムチ…」

カシャッ!!!





☆4☆



シ「おっし!神ちゃん戻ろ!」


私を置き去りにして、行ってしまった…


もうッ!!!
なんなのッ?!!!


その日は帰りまで、ずっと イライラしていた。

シ「〇〇〜」

下駄箱で靴に履き替えてると、シゲに呼ばれた。
シゲの隣には彼がいた。

シ「ひとりなら一緒に帰ろやっ!」

〇「えっ!でも、神ちゃんと帰るんでしょ?イイよぉ〜」

本当はね、彼がいるなら一緒に帰りたいんだけど…
シゲに絡まれてるところを見られたくないから。

シ「ヤベッ!先生に呼ばれてん!忘れとったぁ〜!ごめん!ふたりで帰って〜」

そう言うと、バタバタともう一度 上履きを履き、走って行ってしまった…


えっ…ふたりで?
そんな事…


え"ぇぇぇぇーーーッ!!!


マジ!シゲなんなのッ?!!!
心の準備が準備どころじゃないよっ!!!


神「相変わらずやな、シゲ(笑)」


グサッ!!!
彼の笑顔が、突き刺さったぁ〜!






☆5☆



はぁ〜〜〜なんて可愛いんだぁ〜〜〜!


神「ど、どうする?」

〇「ぅへぇっ?」

神「〇〇がええなら…その……い、一緒に帰らん?///」

〇「・・・・・はっ、はいっ!!!」

一瞬、考えてしまった!
だって、夢みたいなんだもん!!!

顔を赤くして「一緒に帰らん?」って!
可愛い!!!
可愛い過ぎる!!!


神「あ、あのさ…シゲと〇〇って、いつからなん?」

シ「幼稚園入る前からなの。」

神「ホンマ、長い付き合いなんや〜」

〇「うん!姉弟みたいでしょ?!」

それから、ずぅっっと、シゲの話ばっかりして帰った。

神「アイツ、ええやつやからなぁ〜」

〇「ホント。それは間違いないよ!」

って、本当に最後までシゲの話し。

私も私で、「じゃあ、またね!」って、何の未練も感じないサヨナラの仕方…

誰か私に『可愛気』というものをくださ〜〜いッ!

せっかくのふたりっきりを台無しにしてしまった…

私のバカバカバカバカバカバカバカッ!!!








☆6☆



後悔は先には立たずだな…


でも…


メチャメチャ可愛かったなぁ〜〜

照れた横顔。
ビックリの丸い目。
笑顔の ひし形の口。


あぁ〜〜好き♡


こうやって、何時間 思い出しニヤケをしていただろう。


気付くと朝!!!

えっ!ヤバイ!!!
遅刻ぅ〜〜!!!


急いで用意し、玄関のドアを開けると、

シ「おはよ〜ってか、おそよ〜や!」

〇「ゴメン!」

私達は、小走りで向かいながら会話した。

シ「俺、明日から一緒に行けへんからな!」

〇「えっ!なんで?」

シ「好きなヤツ、落とす!!!」

〇「そうなの?そういうの、教えなさいよ!」

シ「今 教えたやん。」

〇「まぁ、いいや!頑張れよ!」

シ「おん!お前は?昨日 どうだったん?」

神「撃沈…聞かないで〜!」


あ"ーーーッ!!!
昨日の事、思い出しちゃったよぉ〜

急に沈んじゃって、走れなくなった。






☆7☆



シ「〇〇?どないしたん?」

〇「私、やっぱり行くの辞める。」

私は動かなくなった足先に視線を落とした。

シ「お前なぁ〜一回ダメやったくらいでメゲるなよぉ〜」

〇「だって…」

シ「大丈夫やって!」

〇「大丈夫じゃない…」

シ「ほんだら、しゃーないな!」


そう、めんどうくさそうに言うと、
シゲは私の腕を掴んで走り出した!


「やっほーい!」とか、ワケの分からん『テンションが上がってる』であろう言葉を発して…


コイツの彼女になるヤツは大変だな…


なんて、考えながら引っ張られていると、
今、いっっっっちばん会いたくない人に会ってしまった。

ホントは…いつでも会いたいんだけどね…


シ「おっ!神ちゃん おはよ〜」

神「おはよ…な、何しとるん?」


息切れして、引きずられる様に腕を掴まれている私に、ビックリしてるみたいだった。



あ"ーーーッ!!!
もう終わりダァーーーッ!!!







☆8☆



だから、シゲが絡んでくるの 見られたく無かったのぉ〜〜!


シ「神ちゃん?明日から、登校、〇〇と一緒にしてくれへん?」

神「え?明日からって…」


な!な!なにをぉ〜??
そんなん、断られたら私…




一生 立ち直れないよぉ…




神「え、ええよ///」

は?

シ「おし!頼むな!!!」

え?

〇「ま、マジ…ですか?///」

神「お、おん。〇〇がよければ…///」


なに この展開?
嬉しいんですけどぉ〜〜!!!


シ「ほな、コレあげる!」

シゲは何の躊躇もなく、私の腕を彼に渡した。

神「え、あ、う、うん…」

と、戸惑いながらも、彼は私の腕をそっと掴んだ。


シ「コイツ、ちゃんと 掴んでんと、どっかいっちゃうからな!」


そう言うシゲの顔は、いつものニコニコ天使ちゃんでは無かった。



シ「あ!行かんと遅刻や!」

シゲの声に私達も、ヤバイ事に気付いた。





☆9☆



神「行こ!(笑)」

彼が私の腕を少し強く握ると、ゆっくり走り出した。


さっきは無かったドキドキ…

走る彼の姿に見とれてたら、振り返るから、
もっと、ドキドキしちゃって!

学校がもっともっと遠ければイイのに〜
なんて、夢みたいな今が永遠になる事を祈った。


下駄箱に着き、腕を離すと、

神「間に合ったな(笑)」

〇「へ?あ、うん………」

爽やかに笑う彼に、吸い込まれそうになる。

神「〇〇と居ると、楽しいな!」

そんな言葉の上乗せ、もうなんて事!!!


〇「あ、明日から よろしくお願いします…」

神「その前にさ、〇〇に話したい事があんねん。」

〇「え…なに?」

神「今はチョット…放課後、ええか?」

〇「う、うん。」


彼の笑顔がなんか違った。

も、もしかして…
「一緒に登校すんのはイイんやけど、俺、彼女おるから。」
とか、言われたりしないよね?







☆10☆


それとも…
「あの子の事が好きやから、協力してくれへん?」
とかだったら、どうしよう?

そんな感じで、放課後まで、
思い付く限りのネガティヴを考えていたせいで、
彼と会う頃には、身も心もドンヨリしていた。


彼に会わないで、帰っちゃおうかな…

だって、きっと私、今度こそ一生 立ち直れない!!!
卑怯な私を許してください!!!

神「〇〇っ///」

そんな私を神様は許してはくれなかった。

彼はわざわざ、私の教室まで迎えに来てくれた。

まだ、クラスメイトがたくさんいる中、照れながら私の名前を呼んだ彼。


あぁ〜〜やっぱり好き♡


その可愛さに「帰る」なんて言えなくなっちゃった…



私達は、誰もいない屋上のベンチに座った。

吹奏楽部の演奏と、野球部の掛け声が、ヤケに響いていた。

少しの沈黙のあいだ、
陽も傾いて、空の色が少しずつ変わっていった。







☆11☆



神「あのさ…

少し沈黙だったせいか、
彼が話し始めたのが…
怖かった。

大きく息をして、自分を整えてみた。


神「シゲと〇〇は…その……

〇「……え?シゲ?」


またシゲの話しか…
これじゃあ、前進なしじゃん!


神「付き合うてるん?」

〇「…は?」

神「仲ええやん。やから、付き合うてるんかな〜?思うて…」

〇「付き合ってないよ。」

神「ほな、〇〇はシゲの事、好きなん?」

〇「そりゃあ、幼馴染だもん、好きだけど。」


やっぱりシゲの話し…


〇「私、帰る。」

立ち上がって歩きだした。

神「え、ちょ、なんで?」

彼は私の隣を歩きながら聞いた。

〇「シゲの話しは、もうイイ。」

私がずっと考えていた、たくさんのネガティヴよりも、
シゲの話ししかしない事が、なぜか辛かった。

ふたりはこれ以上には、ならないと思った。

その途端、辛い思いを味わい続けるよりも、
この恋を諦めようと思ったからだ。








☆12☆


神「なんで?なんか悪い事した?」

〇「だから、シゲの話しは、もうしない。」

神「や、シゲやなくて、〇〇の事を知りたかったんや。」

えっ?
屋上のドアの前で足が止まった。

神「俺さぁ、シゲと話してる〇〇を見てて、ホンマかわええなぁ〜って、思ったんよ。」

え?

神「でもさ、〇〇が カワええのは、シゲと絡んでるからなのかなぁ?って…」

は?

神「シゲの事が好きやからかなぁ?って…」

ん?

神「やっぱり…好きなんやね。」

〇「えっ!チョット待って…そう言う意味の好きじゃ無いんだけど…」

神「え?」

〇「…幼馴染として…だから。」

神「そうなん?」

〇「そうなん…」

さっきよりも傾いた陽が、オレンジ色の世界を作り、私と彼は、お互いを見つめていた。

ほんのりオレンジ色に染まる彼は、とてもキラキラしていて…


あぁ〜〜やっぱり好きだなぁ〜♡








☆13☆



神「シゲといる〇〇を見て、カワええって思った。けど…」

けど?

神「そんなカワイくなってるのに、嫉妬してた。」

へ?

神「俺にも、〇〇のカワええの、見せて欲しい…」


え?


彼は、私の気持ちを分かっていない…



〇「・・・ムリだよ…神ちゃんはシゲとは違う。」


彼の目を見て言う私を、彼も真っ直ぐ見つめていた。

オレンジの光でキラキラしている彼の目が、
少しだけ潤んでいる様に見えた。


〇「シゲは、幼馴染。」


そのキラキラを傍で見ていたい。


〇「神ちゃんは…」


ドキドキしてる。
私のマックスに ドキドキしてる。




でも、私…




もう、言わずにはいられない!







〇「……好きな人///」



ドキドキが早くなり過ぎて、止まっちゃいそうだった。



神「えっ?」

〇「シゲとは違うの///」

私の言葉に ビックリしてる。
その慌てようが、ホントに可愛い(笑)







☆14☆


神「えっ?マジで?///」

〇「うん。」

神「ホンマかぁ?」

〇「うん。」


そう何度も確かめる。

何度も確かめて、やっと確信したのか…


急に、屋上の手すりまで走って行って、


神「よっしゃぁーーーッ!!!」


と、校庭に向かって叫んだ。


マジやばい!青春じゃん!!!


神「おいで(笑)」

振り向いて そう言う…

その笑顔の隣まで ゆっくり歩く私を、ずっと見つめる彼。

え、待って。これ…
まるで…バージンロードだ…

夢の中と錯覚しそう…


彼が差し出した手のひらに、チョット照れながら、私の手を重ねてみた。


神「〇〇の事が、好きです。」


もうダメだ…

涙が溢れ、彼の顔が滲んだ。


神「付き合ってください。」


涙声で「うん。」と答えた。


涙を拭ってくれる彼の優しさが、
世界一の幸せを感じさせた。


私…彼女なんだ…

そう思うと、なんだか くすぐったかった。







☆15☆



次の日。

神「え"っ?知っとったんかぁ!?」

シ「おん。やって 神ちゃん、〇〇見ながらニヤニヤしとったし。」

神「やったら、協力してくれたらえかったのにぃ〜!」

シ「俺が〇〇に絡んだら、ジェラシーやったやろ?」

神「お、おん…まぁ…」

シ「それで気付いたんやろ?」

神「あ!そうや!」

シゲはドヤ顔で、ヒジを上げ 左腕を叩いた。

神「シゲ!スゲーなぁ〜!?」

シ「ふたりっきりにも、してやったろ?」

神「あ!えっ?あれも?」

また、腕を叩いてる…

シ「朝、一緒に行ける様にしてやったやろ?」

神「おぉぉぉ〜〜!マジ神やな!!!」

まただ…叩いてる…

シ「俺さ〜〇〇に誰か現れたら、バトン引き継ぐつもりで、ずっといたんや。〇〇は大切な妹やから。」

神「??妹みたいな存在やろ?」

シ「いや、ちゃうねん。血の繋がった、本当の妹やねん。」

神「え?そうなん?」




私は知らなかった。







☆16☆


ずっと見守ってくれていた幼馴染は、
実の双子の兄だった。

兄は、彼にバトンを渡した。

それは、亡くなった父から受け継いだ、バトンだった。


シ「よっしゃっ!ちょっくら行ってくる!」

神「どこへ?」

シ「保健室!次は、俺の番や!!!」


バトンを手放した兄は、
やっと、自分の恋に向き合う事が出来たのだ。



今まで本当に ありがとう…シゲ!!!


☆fin.☆

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