~あなたサイド~
学校では、義勇くんとわたしの関係は内緒。
わかった!とは言ったものの…
あ、義勇くんと錆兎先生が、
校門で生徒指導してる…。
なるべく見ないように通り過ぎた時、
ドキッ…
義勇くんがつぶやいた。
なぁ~んだ…。
真面目に生徒指導かぁ。
同じ学校にいるのにこれじゃ、
よけいつらいよ…。
早く週末にならないかな…。
***
ガラッ
義勇くんが出席簿を持つ、
その左手に、
やはり結婚指輪…は…ない。
義勇くんは、
淡々と出席を取っている。
禰豆子は竈門で「か」
わたしは如月で「き」
2年の始めに、
出席番号が前後だったわたしたちは、
すぐに意気投合して仲良くなった。
禰豆子は、6人兄弟の二番目で、
弟と妹がいるから、
とっても面倒見がいいの。
お兄ちゃんは、3年の炭治郎先輩。
炭治郎先輩は、料理上手で、
竈門ベーカリーの看板息子。
両親が亡くなってから、
わたしは忙しいおばあちゃんの代わりに、
家事をいっぱいがんばった。
だから、こう見えて、料理は得意なの!
寮でもよく自炊してる。
そだ、週末は
義勇くんに鮭大根作ってあげよ♪
***
休み時間になると…
義勇くんは、中庭で女子生徒に囲まれていた。
それを、遠目に窓から眺める…。
義勇くんは、だまっていたら
衆目美麗な涼しい男…に見える。
本当は、ちょっと
天然なとこあるんだからっ!
しまった聞かれた…。
よりによって、時透くんだ。
Next「近くて遠い…」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。