第41話

待ち合わせ
2,244
2020/11/26 07:00
~あなたサイド~

義勇くんと神戸に行く。

わたしは、カナヲと禰豆子にしばしの別れを告げ、
学校をしばらく休むことにした。

おばあちゃんにも、許可はもらった。
びっくりさせちゃったけど、
最後には…
あなた
ごめんなさい、勝手なことばかり
あなたの祖母
あなた、
義勇さんの手を離しちゃだめよ
そう言って送り出してくれた。

おばあちゃん、ありがとう…。


そして、待ち合わせの日、
新幹線のある駅に行くために
寮の最寄り駅に行くと、時透くんに会った。
あなた
あ…時透くん
時透無一郎
時透無一郎
あなたじゃないか
すごい荷物…どうしたの?
あなた
実は…
混乱を避けて、三学期まで、
義勇くんと神戸に行くことを
時透くんに話した。
時透無一郎
時透無一郎
そっか…
あなた
時透くんはどうしたの?
今の時間部活は?
時透無一郎
時透無一郎
僕はこれ、怪我して
それで病院行った帰り
あなた
うわっ…大丈夫!?
足、痛そう…
時透くんの足は、ひどい痣で、
すねにヒビが入っているらしかった。
あなた
なんでこんな…
時透無一郎
時透無一郎
僕だけじゃないよ

剣道部に新しく来た先生が、
しごきといって、竹刀を振り回すんだ
あなた
それ…ダメなやつじゃない?
時透無一郎
時透無一郎
人間に恨みでもあるのか
っいうくらい、傍若無人だよ
あなた
そんな…
時透無一郎
時透無一郎
ま、僕はそんなのに負けないからさ

それよりあなた、
夕方に今から一人で?
あなた
義勇くんとは新幹線の駅で
待ち合わせているの
時透無一郎
時透無一郎
ふーん

じゃあ送るよ
荷物一つ持つから
あなた
そんなっ、時透くん怪我してるのに
いいわよ
時透無一郎
時透無一郎
そんな大荷物で、放っておけるか
ほらっ貸して
あなた
あっ…
肩が軽くなったと同時に、
わたしからカバンを奪った時透くんが、
駅の改札を先に通り抜けていた。
あなた
ありがと…



~義勇サイド~

冨岡義勇
冨岡義勇
剣道部にも挨拶していくか
学校で退職の事務手続きを済ませ、
武道場へと向かうと、
激しい悲鳴が聞こえてきた。

ただごとではない。

俺は、走った。
冨岡義勇
冨岡義勇
…ッ!?
竈門炭治郎
竈門炭治郎
あっ…冨岡先生!!
助けてください!!!

このままでは煉獄くんがっ…
冨岡義勇
冨岡義勇
どうした、何があった!?
血だらけの煉獄が、
竹刀を構えて立っていた。

そんな煉獄を、お構いなしに
妙なヤツが痛めつけている。

煉獄はいっさい、反撃しない。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
新しく来た先生、
厳しすぎて怪我人が絶えないので、
煉獄君が主将として先生に意見したんです

そうしたら先生がキレてっ…!!
…指導者の風上にも置けないっ。
冨岡義勇
冨岡義勇
貴様ッ!!!!
その汚い手を離せッ!!!

煉獄から離れろっ…
新しい先生
新しい先生
ふんっ
俺の顔を見定めると、
ようやくその手を止めた。

怒りに燃えた眼光は、俺をにらみつけている。

だが俺はそいつには構わず、
煉獄に駆け寄った。
冨岡義勇
冨岡義勇
煉獄、大丈夫か!?
しっかりしろ、煉獄!!!
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
……。
煉獄は、立ったまま気を失っていた。
なんという精神力だ…。

だが、危ない状況だ。
冨岡義勇
冨岡義勇
竈門っ、救急車だ

空いている者は、
錆兎と不死川を呼びに行けっ…
竈門炭治郎
竈門炭治郎
はいっ!!
ひとまず煉獄を寝かせて、
帯を外して楽にさせる。
冨岡義勇
冨岡義勇
煉獄、しっかりしろ
息は出来るか?
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
…ハァッ
とみ…お…か先っ…
冨岡義勇
冨岡義勇
しゃべるな
呼吸に集中しろ
…すごい血だ。
あばら骨が、肺に
刺さっているかもしれない。
不死川実弥
不死川実弥
…どうしたァ!?
錆兎
錆兎
これは…何があったんだ
冨岡義勇
冨岡義勇
詳しくはあとだ
まずは、あいつを取り押さえてくれ
じきに救急車が到着した。

煉獄は、意識を失っている。
俺は、煉獄と一緒に救急車に乗り込んだ。

錆兎と不死川が来たから
ここはもう大丈夫だろう。
冨岡義勇
冨岡義勇
煉獄、大丈夫か
煉獄っ…目を覚ませ
煉獄杏寿郎
煉獄杏寿郎
……。
救急隊員
心臓に機器をつけますので、
離れてください
冨岡義勇
冨岡義勇
はい…
煉獄…。
頼むから…生きろ…!!

あなた…
待っていてくれ…
煉獄を助けたらすぐに行くから…。

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