第27話

月に光る記憶
2,695
2020/11/04 07:00
~あなたサイド~

義勇くんちでの週末は夜も更け、
わたしはうとうととしていた。


義勇くんと不死川先生のお猪口ちょこ
月が映っている。

綺麗な満月だ。


義勇くんも不死川先生も、
月ごと飲み干す…。
あなた
月を…んでいるの?
風流ね…zz…
二人をぼんやりと眺めていた。

ほの青く光っている、
義勇くんの横顔が、息をのむほど美しくて…。

それに、不死川先生も、
こんなに優しい顔をする人だったかな…。

月明かりに銀髪が透けて綺麗…。
あなた
う…ん…zz
痣とか鬼とか、
そんな言葉を聞いたせいかな。

さっきから、頭にモヤがかかったようで
フワフワして…


何か思い出しそうな…



大切な何か…。

不死川実弥
不死川実弥
…がいい?
あなた
えっ…?
二人がこちらを振り返って、
ほほ笑んでいる。

そして、わたしの方に手を差し出し…
冨岡義勇
冨岡義勇
あなたは…甘口と…
不死川実弥
不死川実弥
辛口、どっちが好きだァ?
あなた
えっと…/////
どういう意味だろう/////

わたしが戸惑って、
義勇くんの手を取ろうとすると、
あなた
きゃっ…
不死川先生にヘッドロックされて、
不死川実弥
不死川実弥
あなたも飲めぇ…
と、なみなみとお酒をつがれた。


酔ってるわね…二人とも。

辛口と甘口ってお酒の味の
ことだったかな/////
あなた
わ、わたし未成年っ…
冨岡義勇
冨岡義勇
不死川…
あなたを離せ
義勇くんも、目が座っている。
冨岡義勇
冨岡義勇
あなたは俺のものだ
あなた
義勇くんっ?
義勇くんがグイッと引っ張って、
わたしをひざに座らせた。
あなた
不死川先生が見てるからっ/////
冨岡義勇
冨岡義勇
だからなんだというのだ
義勇くん、やっぱり酔ってる…。
不死川実弥
不死川実弥
んじゃ、おはぎ食うかァ?
ニタァ…と笑う不死川先生と
おはぎの組み合わせは、
なんだか懐かしい。

なんでかな?

なんか思い出しかけて…
あなた
実弥さん、、、、

ありがとうございます
不死川実弥
不死川実弥
…ッ!?
冨岡義勇
冨岡義勇
あなたっ…?
あなた
あっ…わたし先生に
“実弥さん”だなんて…

すみませんっ…
不死川実弥
不死川実弥
いや…いい

まあ、食え食え
あなた
いただきまーす!

アムッ…
冨岡義勇
冨岡義勇
あなた、
ほっぺにあんこついている
あなた
ん?どこ?/////
冨岡義勇
冨岡義勇
相変わらずだな…あなたは…

ここだ
ペロッ…


義勇くんが、口であんこを
ぱくっとした。
あなた
ちょっ…/////
不死川実弥
不死川実弥
オイオイ…
冨岡義勇
冨岡義勇
フフ…甘い…
あなた
もー、義勇くんてば/////
相変わらず?

前にもそんなことあった?

わたしは義勇くんのひざで
お茶を飲みながら、
不死川先生の顔を眺めていた。

義勇くんが帯をゆるめてくれて、
なんだかまた眠く…
あなた
あれ…実弥さん、
また傷が増えて…
不死川実弥
不死川実弥
あなたっ…おまえ記憶…
あなた
スゥ…zz


~義勇サイド~

不死川実弥
不死川実弥
あなたは寝たか?
冨岡義勇
冨岡義勇
ああ、布団に寝かせた
不死川実弥
不死川実弥
さっきは驚いたな
傷…それに
実弥さんだなんてよォ…
冨岡義勇
冨岡義勇
ああ…

前世の記憶を
取り戻したかと…
不死川実弥
不死川実弥
何かのきっかけで戻ることも
あるだろうが、まあ…
さっきのは一時的なモンだな
冨岡義勇
冨岡義勇
おそらくな…
あなたが…
前世の記憶を取り戻すならば…。

そうしたらあなた。

またおまえは俺を「義勇さん」と呼び、
その愛らしい顔を、
優しく、もたげてくれるだろうか…。


今のあなたも愛しているに違いないが、
懐かしいおまえを、この手に抱きたい…。
前世の思い出をともにしたい…。

そんな想いも、ぬぐい去れないのだった。
冨岡義勇
冨岡義勇
「お慕いしています…
 義勇さん…」
美しい詩のようなこの言葉。
あなたがよく言ってくれた…。

もう一度…聞きたい…
あなた…。


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