~あなたサイド~
中庭で、女の子たちに囲まれている
義勇くんを遠目に見て、
…と言っているところを、
時透くんに聞かれた////
やばっ…。
時透くんが、髪をかきあげて、
わたしの顔をのぞき込む。
近い/////
中庭の義勇くんに、目を戻すと、
相変わらず囲まれていて…。
受けとるんだ…。
図星だった。
時透くん…失礼なやつ、と思ってたけど、
そんなに悪い人じゃないのかも。
おかげでちょっぴり元気が出た!
わたしは、義勇くんがこっちを
ひそかに見ていたとは、気がつかなった。
自分がクッキーを受け取っていると
気がつかないほど、
実は義勇くんが、
うわの空だったことも…。
***
そして金曜日放課後。
学校が終わり、寮に戻ったわたしは…
あっ、そーだ!
わかんないとこは、
義勇くんに教えてもらっちゃお♡
カナヲが部屋にいたんだった/////
聞かれたかな?
カナヲなら大丈夫よね。
明日を楽しみにわたしは、
ベッドにもぐり込んだ…。
Next「待ちに待った週末」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!