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第25話

其レハ幻想ダッタカモシレナイ
「うぅ…あぁ!!!」

E$CAは両手の手のひらの部分がハンマーのように固く変形しており広瀬を威嚇するためか拍子木のごとくその2つのハンマーを打ち合わせている。

まあ音は段違いだが。

「うらあっ!」

広瀬はカバンの中にしまってあった銃を素早く取りだしエネルギー源である電気をチャージする。

「食らえっ!!!」

広瀬は強力な電気弾を撃ち込んだ…が

「…なに!?」
「ふーぅっ。」

ハンマーのE$CAは腕のそのハンマーの部分に被弾していたにも関わらずケロッとしている。恐らく電気を通さない部位ということであろう。そうなると広瀬には分が悪い。慌てて次の策を考える。

「うぅ…ふふふ…。」

不気味な声を上げて近づくE$CAに広瀬の足が少しだけ震える。もう絶体絶命である。

「この場を乗りきって…庄野くんを呼ばないと…」
「あぁ…ふふ…ふん!!!」

E$CAはこちら側に走ってきた。広瀬は思い切り避け壁に穴が空く。E$CAの方はすぐに体勢を立て直したが広瀬は年齢もあってそうはいかない。

「中年にこんなことやらせやがって…ちくしょう…!」

広瀬はそう言ってろくに体勢も直さずに銃を構える。彼の目論見はこうだ。腕に電気が通らないなら…

「足を撃てばいいんだよ!!!」

広瀬は引き金を引いた。強力な電気は黒い影の右足に命中した。

「ああっ!!!あっ!うぅ!!」

黒い影は断末魔を上げたかと思うと怖気付いたのか窓から逃げていった。広瀬も追おうとしたが消耗してしまってそう上手くいかない。

「くそ…。年だな。」
「どうしたんですか!!!」

騒ぎを聞いたのか村長の豊本が何人かの村民を連れてやって来た。豊本は広瀬が何も語らずとも部屋の中を見てただならぬ状態であるということを察し、顔つきを変えた。

「ああ皆さんどうもすみませんこんな夜中に…。」
「いいんですよ!ところで一体何があったんです?」
「それは…」

広瀬は黙り込んだ。今回の件を村人たちにどう説明すべきかということが思い浮かばないのだ。村に黒い噂を流している元凶がE$CAの仕業であったこともそうだが、そもそもの話が


彼らを見てしまった以上村の人間が信じるに足るかどうか、もう1度考え直さなければならないのだ。

「実は野良犬が入ってきちゃいましてね…。あ、いや窓開けて寝てた私の責任ではあるんですけどね。すみません。」

広瀬は咄嗟に嘘をついた。とりあえずこの場を切り抜けなければ村人が人間であろうが彼らであろうが分が悪くなる。

「ああ申し訳ありません。これは我々の責任です。5年以上出てなかったんですがね…。ちょっと明日調査します。この度は本当に申し訳ありませんでした!」

豊本は謝罪会見ばりに謝る。他の村民たちも一緒に深深と頭を下げた。広瀬は逆に申し訳ない気持ちでいっぱいになったが、ぶっちゃけ今はそれどころではない。


彼らがいるという事実だけは間違いないのだから、それを対処しなければならないのだ。