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第4話

E$CAについて
これより研究対象、E$CAについてのまとめを行う。

E$CA(エスカ)
黒い影のような姿をした人型の生物である。誰に命令されるでもなく本能的に人を殺害する習性を持つため人類にとっては非常に危険な存在である。

彼ら自身の能力としては擬態能力が挙げられる。
彼らは人間の姿をコピーし、上手く人間社会に溶け込んでいる。ただコピーするだけではなく、コピー元の人間の記憶まで共に自らのものとし、かつ彼らも高い知能を持っているためコピー元の人間に成り代わって社会活動をしている場合がほとんどである。

そして彼らのもうひとつの厄介な点は、彼らはそれぞれ狂気となり得る身体的特徴を個別に持っているという点である。
ある個体は毒入りの触手、ある個体は鋭利な刀のようなツメ、そして自らの体組織を利用して、鉄砲のようなものを撃てる個体もいるなど、枚挙に暇がない。ただし共通点といえば殺傷能力が高いことで、人間が丸腰で立ち向かって勝てる物は1つもない。

ただし防御力に関しては人間と同じかそれより少し上くらいであり、万一の時は人間用の武装で十分対抗は可能。

そして彼らの最大の謎、それは"彼らが何者なのか"と言った点にある。彼らの身体構造は前述の彼ら自身の独立した身体構造を除いては霊長類の身体構造に非常に良く似ており、DNAに至っても人間と99.6%一致しているという研究結果も出ており、霊長類の突然変異という説が有力であるが、詳しいことは未だ不明。また、古代人間の天敵だったという説も同じく有力だが、それも説止まりである。ただし彼らの生殖機能においては霊長類とは大きく異なり、彼らは雄の要素と雌の要素、両方を備え持っていることも分かっており、事実上の無性生殖も起こりうることも確認している。

我々柴田生物学研究所ではとある地方の遺跡から発掘された4体の彼らのミイラを15年前に発見、未知の生物として調査をしていたがその僅か2週間後、4体のうち解剖されていなかった3体が覚醒。当時の調査チームは5名の犠牲を出している。そしてうち1体を取り逃してしまう。
しかしそうして研究所に残してあった2体も我々の発見から8年後、逃亡している。そして1体は再び取り逃し、1体に至ってはやむなく殺処分をとった。この過程で研究員は1名死亡。
この件に関わった15年前の調査チームの生き残りと7年前の逃亡事件の当時彼らの監視を担当していた研究員にはこれといって処分は下されていない。「所長の意向である」という所までは有名な話だが、なぜそのような結論に至ったのか、というのは処分が下されなかった本人も知らない。

現在彼らは数を増やし、人間社会には相当数が潜伏しているものと思われる。幸か不幸か、彼らの件に着いては15年前から外部には一切公表されていないが、だからこそ一刻も早い対処が我々には望まれている。


柴田生物学研究所研究員・広瀬望