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殺した人間の腕や太腿の肉が詰まっていそうな所を食べる。けど稀血じゃないからかな…全く美味しくなくて吐きそうなんだけど…
服も此奴らの返り血を浴びちゃってベタベタするし…あーもう!!最近運が全くない!
帰ろうと僕らが立ち上がる。それと同時に、カサッ、と木の葉が何かと擦れ合う音が一瞬した。天兄もあのヤバい程視力が良い目で察したらしい。…あ、僕は耳が良いんだ!ずーっと先までの音が分かるし。天兄は百キロメートル先まで見れるらしいよ!
え、憂兄めっちゃいい案出すじゃん!!
えーっと、確か鬼殺隊の柱は憂兄を除いて『九人』。よし、持ってた持ってた!
憂兄を見送ってから、僕らも自分達の屋敷に足を運ぶ。僕らの屋敷の名前はね、『星海亭』って言うんだ!
…人間の頃の苗字。
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僕らはまだ思っていない事が起こるとは思わなかった。なんで浅草なんかを選んだんだろ…
でもそんな事は知らないから天兄と、『浅草って久しぶりに行く〜!』だとか、『なんか服買いに行きたい!堕姫ちゃんとかも誘いたいな〜』って言う感じの会話をしていた。
そして、その頃は深夜の月が沈みかけ、早朝の眩しい太陽の光が登りかけていた。
まさに僕ら鬼と憂兄らの鬼殺隊の境界線の様な空をしている。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!