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星海人形と炎の柱の呼吸がそれぞれ当たり、相殺された。やっぱり『再現』だからかな、憂兄よりも技の精度は大分落ちるよね。
まあ憂兄は刀の扱いが凄いから。幾ら『再現』でも刀の扱いまでは再現できないもんね。
よーし、じゃあちょっと本気出しちゃおっかな?柱と闘うのは久しぶりなんだし。何年ぶりかな?多分三十年以上だとは思うけど…
血鬼術で僕の持ってた石ころを蟲の柱の刀に改変する。えーっと、毒はもう一緒に出してるから呼吸しちゃっていいや。
僕が呼吸を放ち、炎の柱の腕と肺の辺りに刀の先を刺す。そして、破れた服の間から腕に入れられた毒がジワジワ、と滲んでいった。多分肺も苦しんじゃない?だって呼吸を撃つ時、激痛が走った様な顔してたもん。
あらまー、可哀想。
絶対毒が入って痛いよね。
天兄とあかざっちが最後に技を放った。それは炎の柱に見事ピンポイントで急所に命中した。
そして、ドォォォォォン!!と音が鳴り、砂煙が舞う。あかざっち、よく『破壊殺・滅式』撃てたね〜、僕そんなのしたら町破壊しちゃう!
そう言ったあかざっち。その瞬間、あかざっちの頸に刀が当たった。
…あ、夜明けだ。あかざっち『は』逃げないとね〜
え、僕らは?いーのいーの!
…準備はできた!
よーし、これで!
僕らが炎の柱を鬼の細胞にする。すると炎の柱は呻き声をあげて、ドサッ、と倒れ込んだ。ありゃりゃ、失敗?すると天兄が炎の柱の顔をペチペチ、と叩き、それから胸へ手を当てた。
天兄はそれから炎の柱の腕を捲り、注射器を取り出して針を刺す。そして血を採取した。ふー、やっと第一歩進めた!
柱は中々鬼に出来ないんだよね〜
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。