「私」に言われるのが嬉しいんじゃないんだ。
そうだよね。
志鶴先輩好きな人いるんだもんね。
何その顔。
しっかり照れてる。
私に言われるのが特別嬉しいわけじゃないくせに。
私は先輩にクルッと背中を向け、最後にこう言った。
今のは告白同然じゃん....
でも本当のこと。先輩だから言うんだよ。
私に好かれてる自覚。して...?
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その生徒会長に会いたくないんだよ
会ったらどんな顔して挨拶しよう。
避けられるのかな。
それは嫌だな。
私のせいなんだけどさ。
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下駄箱を開けると、1通の手紙が入っていた。
あなたさんへ
8:30に昇降口に来てください。
待ってます。
ラ、ラブレター!?
8:30ってもうあと5分じゃん...やばい。だれかな。
この人が....
や、やっぱり告白...!
この人普通にイケメンだし。
...って、顔で選んじゃダメだけどさ。
志鶴先輩には好きな人がいる、叶わない。
この人を好きになれば。
私の気持ちは楽になるのかな。
でも...!
志鶴先輩?
いや、そんなん言われてな....
腕を掴まれ、先輩に連れられた。
申し訳ないことしちゃったじゃん!
志鶴先輩のせいで!
生徒会室に着き、中に入るなり
先輩は勢いよく扉を閉めた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。