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第4話



女の人はいやなやつでした。

初めからあまり好きでない類の人間だとは思っていましたが、まさかここまでとは思っていませんでした。
思いつく限りの悪事を、彼女はやってのけました。

金魚鉢の淵をなぞってきんきんする音を出しました。
別の女の人たちを呼んではお酒を飲んで大騒ぎをしました。
くさい煙草を吸いました。
そして、いつだってひどく大きな音でラジオを聴きました。


それに対してあのひとが何も咎めないのが、より一層いやでした。







あるとき女の人はひとりで病院に行き、それから、なんと煙草とお酒をすっぱり止めました。
わたしの生活水準は著しい上昇を見せました。

清潔な水のなかでわたしが機嫌よくしていると、あのひとが、分かるのかい?と声を掛けてきます。


「嬉しいんだね、ローレライ。君はおねえちゃんになるんだよ」

…おねえちゃんになる?
その意味がさっぱり分からなかったので、わたしはぴちぴちと尾びれを跳ねさせて抗議をしました。


あのひとは、何も分かってくれませんでした。

ただ、楽しそうに笑ってお魚をくれました。
まるで人間のように、胸が締め付けられるような思いがしました。
こんなにも愚かなひとを愛してしまったのは、わたしの未熟でしょうか、それとも運命でしょうか。


ローレライの逡巡なんて、あのひとの心を割くにも値しない些事だったのです。





--シュウト、あのね。


これはわたしの懺悔よ。