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第3話



「ローレライ。僕はね、あの娘と一緒になるんだよ。祝福してくれるかい?」


ある日のことです。

あのひとはそんなよく分からない事を言って、見たことの無い黒の立派なお着物で出て行かれました。わたしは丸一日放っておかれました。

戻ってきたとき、あのひとはまたお酒くさくて、そして忌まわしくも、白い衣装を着た例の女の人と一緒でした。

(ねえ、なんで連れてきたの。わたしその人好きじゃないわ)

一生懸命に硝子を叩いたけれど、あのひとは見向きもしてくれませんでした。
女の人が化粧のいやな匂いの指で小魚をくれましたけれど、食べる気は一向に起きませんでした。



そして明くる日もまた明くる日も、女の人はわたしとあのひとの家に居座り続けました。



幼かったわたしなりに理解したのは、この家はもはやわたしたちだけの物でないこと。
そしてあのひとも、もはやわたしの物でないこと。

それでも、あのひとのことを嫌いにはなれませんでした。
ローレライは一途ないきものです、結婚していようが赤子だろうが、好きなひとは好きなのです。




金魚鉢という密室の外で、世界は勝手に移ろいでいきました。