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第20話




気ままなランデブーは自然消滅し、年頃になった呂久は見合い結婚をしました。

放任主義の親と自由気ままな姉たちに囲まれて育った、優しくチャーミングな呂久。
まさに引く手あまたでしたが、結局彼が選んだのは、年上の鈴という綺麗なひとでした。



穏やかに愛し合うふたりの結婚生活は、笑ってしまうほどに順調でした。
たぶん、世間がそういう気風だったのでしょう。


呂久は同期を差し置き、早々に昇進してしまいました。結婚から一年経たないうちに、立派な新居が建ちました。

鈴は、男の子と女の子をひとりずつ産みました。眞也と小雪、ふたりとも賢い良い子に育ちました。
わたしはまた眞也に恋をしました、四度目の恋でした。

うたえないわたしでも、ふとした弾みにうたえるようになるのではないか。
そんな叶いっこない夢も見たくなる程の、素晴らしい日々でした。


……夫婦の生活が順調に進むたび、わたしの内面は荒んでいきました。

わたしは天の邪鬼なローレライですので、幸せなときは不幸せを、不幸せなときは幸せを模索してしまうのです。今は前者でした。




そうです、わたしは気付いてしまったのです。


ローレライの寿命が、ひとと比べてとても長い、ということに。




そうこうしているうちに、祐とあかねが順番に死にました。
晩年はまさに落ちる一方だったようで、垣間見た死に顔は落ち窪んで醜いものでした。ふたりの若い頃の記憶は戦争の土ぼこりでくすみ、老いて右腕と知性をうしなってからの、つまらぬ印象しか残りませんでした。



--わたしも醜く死ぬのかしら。

だから、こうして記録を取ってもらっているのよ、シュウト。


貴方だけはわたしを覚えていてね。