《グクside》
なんでこんなに僕は怒っているの。
イロンが他の男に話しかけられただけじゃないか。
なんで僕は、こんなに……
2人の帰り道
イロン。
どうして君はそんな無邪気に笑うんだ。
僕の心が締め付けられる。
だから僕は思わず……思わず言ってしまったんだ。
思わず口から出てしまった。
困っているイロンをみると、
後悔が襲ってくる。
でも、イロンは
友達……か。
当たり前の言葉に胸が苦しくなる。
そーゆう事か。
僕はイロンに恋をしたんだ。
もう気づいてしまった。
もう友達という関係には戻れない。
僕の心にはイロンがいる。
僕は恋をしてしまったんだ。
《イロンside》
明らかにグクの態度が違った。
おかしい。
絶対考え事なんかじゃない。
でも待とう。
友達だもん。
絶対話してくれる。
そう信じて。
でもグクから出た言葉は意外だった。
『お前は俺の近くにいろ。他の男のところなんかいくな。』
ドキッ
私心臓が大きく弾いた。
なんで、そんなことを言うの?
期待しちゃうじゃん。
『ずっと友達だよ。』
自分の気持ちに焦って、気持ちとは裏腹な言葉が声に出て、
グクの耳に届いた。
友達……その言葉が頭の中で響く。
友達、友達なんだよね。
それ以上発展することは無い。
そういう関係だとずっと思ってた。
グクはそうかもしれない。
でも私はもう無理だ。
そんな顔でイロンなんて呼ばないで。
胸が苦しいだけだから。
『あ、あぁーそーだな笑』
あぁ気づいてしまった。
私はグクが好きだ。
もう止まれない。
この会話を聞いてた人が1人。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。