グクside
俺は、塾が終わって
家に帰っていた
50メートルぐらい先に、
誰かと歩いているテヒョンを見つけた
隣誰だろ
あ、どうせあなたか。
そういえば今日遊園地行くとか言ってたな
でもよく見ると、あなたより背が高くて、
少しふっくらしている
でも腕を組んでいる
目をこすってよーく見てみると、
テヒョンのお母さんだった。
カシャ
次の日の部活前
なんだろ
と思いながらグクに連れられて、パントリーに行った
グクに差し出された携帯の写真を見た。
そこには、
テヒョンと知らない女の人が腕を組んでいる写メが写っていた。
嘘でしょ?
え、嘘だよね?
観覧車に乗った時、他の男見るなよって言ったのに
どうして..どうして...
裏切られた思いと、哀しい気持ちでいっぱいになり
大粒の涙が滴った
ダッ
思い切り走り出した
無我夢中で
3階から2階に繋がる階段の踊り場へ行った。
そう呟くと、一気に涙が溢れ出した
大泣きしながら
窓から見えたテヒョンに向かって言った
すると、
トンッ
トンッ
と誰かが階段を上がってくる音が聞こえた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。